2005-05-01 UP

Ellen Allien

去年とおととしに続き今年も〈 WIRE05 〉への参戦が決定したエレン・エイリアンに直撃! 彼女はベルリンを拠点に レーベル「 BpitchControl 」を運営しつつ、 DJ 、プロデューサーと幅広く活躍する才媛だ。 〈 WIRE05 〉参戦にくわえ、間もなく2年ぶりとなるニューアルバムも出るとこのことなので、そのへんの話をみっちり聞いてきました!


ヒロシ

─ エレン、あなたはDJとして過去に「WIRE 03」と「WIRE 04」に参加していますけど、この巨大イベントでDJをしたときの感想や思い出があれば教えてください。また、今年の「WIRE 05」への参加も決定したと聞きましたけど、その意気込みを聞かせてください。あと、日本のDJ/アーティストの印象も教えてください。

「WIRE」でプレイしたときはとにかく興奮したし、「WIRE」のような巨大イベントの会場でプレイするというのは自分にとってとても楽しいことなの。というのは、音が全然違うから。巨大会場でのプレイは自分にとって鳥肌が立つような感じ。あと日本のクラウドの音楽に対するリスペクトと姿勢には、私は本当に感謝しているの。音楽に関する情報や知識はものすごく持っているのにも関わらず、聴いているときはとにかく楽しんでくれているというのが素晴らしいと思うわ。そういう意味では今年も「WIRE」でプレイできるというのは、本当に楽しみなの!

日本のアーティストといえば、石野卓球と電気グルーヴは、エレクトロニック・ミュージックの歴史とそのものにとって、とても重要な存在だと思います。これは特にグローバルな観点からいえることだわ。卓球はテクノの発展に大きく貢献したし、当然彼のおかげで私は日本でプレイができたし。テクノを日本に持って来たのは彼だし、常に国際的なネットワークややり取りに力を注いでいることにも私はとても尊敬しています。

─ そうですか、では日本のテクノシーンとドイツのテクノシーンの違いはありますか? あと、ベルリンのクラブシーンのことをちょっと教えてもらえないかな?

はっきりとはわからないけど、日本とドイツのテクノシーンの違いはたぶん文化と社会の違いによるものだと思うわ。日本では、とても古い伝統が今でも続いているし、その習慣/文化から抜け出すのは難しいと思うんだけど、ドイツでは、とくにわたしたちの持つ歴史の影響によって「私は自分がドイツ人であることを誇りに思っています!」なんて大声でいうのは難しいのよ。なんとかして新しいモノに目を向け、受け入るオープンな体制が必要になってるの。私たちはなんとかして新しいもの、言葉を探さなくてはならなかった。テクノは、日本では「現代」、「国際化」、「国際社会に加わった日本」を表していると思うの。ドイツでは、その歴史と89年のベルリンの壁の崩壊と共にすべてが変わったわ。それがドイツにおけるテクノのベース、原動力といえるかしら。

ベルリンのクラブシーンはとても多種多様。小さなクラブとつねに(コンセプトなどが)変わっているクラブはたくさんあるし、WMFやTresorのような巨大クラブもあるわ。日本のクラブシーンとその伝統的な文化がどのように共存しているのかはわからないけど、とても興味があるわ!

─ (WIREのような巨大イベントではなく)東京・日本の普通のクラブでプレイしたいと思いますか?また、WIREやラヴ・パレードのような巨大イベントでのプレイと普通のクラブでのプレイって違いがありますか? どっちの方がスキ?

Ellen  私はどちらもスキなの! と言うのは、どっちもとても違うから! ちょっとアンダーグラウンドな感じの小さなクラブでのプレイも好きだし、何千人という大きなクラウドのエネルギーを感じながらプレイするのも好きなの…‥それはとにかく特別な感じで、特に日本でそれを感じるのは最高なの! みんなのサポートを受けながらプレイし、その感動をみんなと共有するのが楽しみだわ!

─ いいですねぇ~。次はちょっと難しい質問です。あなたは自分の音楽を言葉で表すとしたらどんな感じなんでしょうか? また、ご自身が影響を受けたアーティストって誰ですか? あと、今注目している音とかありますか?

私の音楽は、hypnotic elechtechと言って、テクノ、エレクトロ、ヒップホップ、パンク、ソウル、ダンス、ポップの要素を取り入れた、とにかくアガル音ならなんでも取り入れた感じの音楽なの。

影響を受けた音楽は、クラフトワーク、デヴィッド・ボウイ、ノイエ・ドイチェ・ヴェレのいろんなアーティスト、ニナ・ハーゲン、ワープ・レコード、ビョークとヒップホップ全般と…‥いろいろな人に影響されてきたわ! 今はUKモノに凄く興味を持っているの。UKは、特別なポップミュージックの歴史があるし、ミュージックに対する独特な姿勢を持っているし。UKは、プログレッシヴ(進歩性)でありながら同時にオールド・スクールなの(例えばMFA、ボーダー・コミュニティとかワープなどがそう)。私は、今そういった感じの音に興味を持っているの、でもほかの音に対して常にオープンなスタンスでいるわ。次は日本のサウンドにも注目したいかも…‥。

─ 是非ともお願いします! それではエレンの新しいアルバム『Thrills』についていくつか教えて欲しいのですが、まず、このアルバムを通して聴くひとにどのような感情、表現、メッセージなどを伝えたいと思っています?

『Thrills』でもそうだったんだけど、今の私は、自分がやっていることに対して満足できるようになってきたのが私にとってとても大切なこと。音楽的に私はあるときはDJ、ある時はBPitch Control、あるときはプライベートでと、いろいろ変わるの。ようやくその切替えが上手くできるようになってきたの。最初のレコード「Stadtkind」は、私からベルリンの街へのラブ・レターだったの。そして私がベルリンという場所でいかにして生きていけるかの証だったの。あのアルバムの音の制作は技術的にとても大変だったわ。かなり時間がかかったし、Smash TVと初めて一緒に制作した作品で、彼もあんな音を創ったことは今までになかったので、けっこう大変だったわ。続く「Berlinette」は、技術的にとても進歩していたテクノロジーを使って、けっこう実験的なことをやったりして、世界中の友達に「ありがとう」という言葉を送るために創ったの。このリリースのあとは長い間ツアーに出てたわ。この2枚のレコードが成功したとき、私はちょっと活動を止めて、もう一度自分を見直し、自分という人物を見つめなおすことにしたの。その結果が『Thrills』だわ。そして、私の3枚のレコードで共通していることは、どれも私の人生を写していることよ。私がどこに住み、どのように生活しているか、私の個人的な発展を。また、それに加えて私の音楽的な発展とプロとしての発展も反映しているわ。そして、『Thrills』とは、音楽の幅、レーベル主宰としての楽しさとか、愛するヒトを幸せにしたい気持ち、ツアーの時差と疲れで体が麻痺してしまっているときの感覚とか、私を観て驚くひとの感情とか、プレイしているとき、クラウドとの一体感を感じられた瞬間とか、これをすべて含めて『Thrills』なの。『Thrills』とは、私の人生そのもの、私の内面の結果。そしてこの音楽を聴くことによってそのひとが私と同じ感情を感じ取れることが大切。私は音楽を通して何かを伝えようとしているの。音楽は私にとってみんなとの共通の言語なの。大切なのはエモーションよ。

今回のアルバムの大きなテーマは以前より暖かい音を創ることだったの。そしてそれを実現させるための機材を探し回ることも大切だったわ。ここでは東京のある店に大変お世話になったわ。いろんなビンテージの楽器を試させてもらったし、渋谷のある店ではローランド303を安く買うことができたわ。最終的には私が今お気に入りのアープ 2600をネットオークションで購入したわ。けっこうな値段だったけど、『Thrills』には絶対必要だったの。アープのおかげで暖かく、プロデューシングが効きすぎていない出来を実現できたの。制作の過程はとにかくオープンに、焦らず、自分が納得するものだけを入れたわ。その方が一日中スクリーンの前にいるより色々な要素を取り入れることができるわ。

─ なるほど、ではこのアルバムをどこに持って行きたいですか?

世界中よ!!!!

─ マイアミの「ウインター・ミュージック・コンフェレンス」でプレイしたと聞きましたけど、どうでした?

世界中から集まった友達と会うことができたわ。でもプレイしたとき、ちょっと手こずっちゃったけど、がんばったわ。天気もすばらしかったし、まるでホリデーだったわ。

─ (うらやましいぃ~)それではエレン自身のDJとしての、また、レーベルのBPitch Controlの2005年の今後の予定を教えてください。(WIRE以外で)日本に来る機会ってあるの?

実は言うと今はEAEという自分のファッションコレクションの制作にかかっているところなの。もう少ししたらお店に出る予定なんだけど、コレクションとしては小さいの、でも洗練されたモノだわ。

あと、Apparatと一緒に新しい音楽プロジェクトを計画中、2人である曲の一部を共有するんだけど、初の試みで楽しみ。また、BPitch Controlのサブレーベル「memo」の立ち上げも控えているの。私は、つねに動いているの! あと、BPitch ControlからModeselektorとTomas Anderssonのリリースがあるわ、期待していて! 日本に行くのは大好きなの、だから機会があれば必ず行くわ!(ブッキングしてください!)

─ 期待しましょう!確かエレンがクラベリアインタビュー初の女性DJだと思うんだけど、女性DJとしての生活とかのことを聞いてみていいかな?

そうねぇ、私は性別でいろいろ分けるのはあまりスキじゃないの。DJなら聴いているヒトは性別関係なく、ミュージックだけに注目してもらわないと。DJ生活とかの事は私のウェブサイトに行ってみて、ツアー日記があるから。普段はみんなと同じような生活をしているわ、仕事に芸術、スポーツに愛と尊敬と憂鬱が混ざったごく普通の生活だわ。

─ ま、そうですよね、失礼しました。では最後に今注目しているDJ/アーティストとかビッグになりそうな人がいれば教えて欲しいんだけど…‥。

m.i.a.、The MFA、Modeselektor、トーマス・アンダーソン、ボーダー・コミュニティにApparatとかね。あとグライムのアーティストとかね。でも「ビッグ」になるとかはあまり関心がないわ。私は、とにかく音楽に動かされたいの。

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