コラム第27回目


clubberiaをご覧の皆様いかがおすごしでしょうか?
ついこないだまで夏だったような気もするんですが、すっかり創作の秋、いやもう冬に突入かな?

さて10月末、三軒茶屋Space Orbitにて第1回目『Ableton Meetup Tokyo』というイベントが行われました。
これは、Ableton認定トレーナーが中心になり、Ableton Liveを使っているミュージシャン、エンジニア、DJ、VJなど様々なアーティストが「自分が得意とするAbleton Liveの使用方法」をプレゼンテーションするイベントです。
今まで『Ableton User Meeting Tokyo』という名前でやっていましたが「共通の趣味・趣向を持った人たちの集まり」という意味のMeet upをキーワードに『Ableton Meetup Tokyo』としてリニューアルされました。



ワタクシCD HATAも、このイベントには約一年前の一回目から参加しているのですが『Ableton Meetup Tokyo』というタイトルになった記念に、その様子を紹介をしようと思います。

毎回、3人のアーティストが各20分づつのプレゼンテーションを行います。
今回は、ドラマー/トラックメイカー/DJのreonaさん、エレクトニカ・ノイズバンド「Mammoth」の岡崎ぜったろうさん、NY出身のパーカッショニスト・エレクトロニックアーティストで、Ableton認定トレーナーでもあり、世界最先端のエレクトロニックミュージックの専門学校=dubspotのインストラクターでもある、Josh Bessさんの3人です。

まずトップバッターは、reonaさん。



「フィンガードラムのTips紹介/abletonでリアルドラマーに差をつけろ!」というテーマで、Native Instruments MASCHINEを使い、生ドラム系フィンガードラミングについて、実際に対人セッションで使えるTipsを披露。
フィンガードラミングをする上で、パッドを叩く強さで様々な音のコントロールをする方法を解説してくれました。



Ableton Live MIDI EffectのVelocityというプラグインの使いかたを紹介している映像をみてみましょう。



その他、Max for Liveを使い、ドラムと一緒にベース音をランダムに鳴らすパフォーマンスの仕方を紹介してくれました。
あとちょっとしたことなんですが、マスタートラックにAudio EffectsのUtilltyをさし、そのMuteボタンをMASCHINEのボタンにMIDIマッピングをすることで、ボタン一つで全部の音をミュートするという技は、一瞬全体をミュートしてブレイクさせたり、連打することでスライサーの様な効果をさせることができる、現場で重宝するハっとしたTipsでした。





次に登場したのは、ライブペインティングによる音と絵の融合を試みながら、実験音楽を研究している岡崎ぜったろうさん。



2014年にエレクトニカ・ノイズバンド「Mammoth」を結成し、ハードシンセや壊れたおもちゃやオルゴール、自作の電子楽器やフィールドレコーディングした環境音などを持ち寄り即興でつむぐライブを行っているのですが、そのメンバーも全員集合です。



岡崎ぜったろうさんが中心になって、このユニットの中でAbleton Liveをどのように使っているか説明してくれました。



ファミコンをMIDIで鳴るように改造して音が出るようになっています。
懐かしいサウンド!



各メンバーの出音もオーディオインターフェースを介して、Ableton Liveに入力し、Ableton Liveをミキサー代わりに使うことで、Ableton Liveのエフェクトを使ってミックスしているそうです。

Mammothのメンバーは、他にアレキサンダー・ジュリアン (alexunder Julian) さんという、ラジカセのカセットテープを擦ってスクラッチをする人



どぶ水ススル (kenta kitahara) さんという、ドローンマシーンという、発振した音をいじることが出来る機械を作っているメンバーもいます。 ドローンマシーンというのは、アナログモノシンセに構造が似ているんですが、発振させた音をオシレーターの役割として使って、フィルターの役割をさせるトランジスタをかまし、それをコントロールすることで演奏というかノイズを出しています。



他にも子供をあやすような音が出る玩具を改造して使っています。



どぶ水ススル (kenta kitahara) さん曰く
今のおもちゃは基盤がガッツリ樹脂で固められてしまってるんですが、昔のおもちゃは、トランジスタがハンダ付けされている基盤が剥き出しになっていていじれるんですよ。
ただ、どのトランジスタが音に影響しているパーツかはわからないので、音を出しながら、そのトランジスタを触ってみるんです。
音に影響しているトランジスタを触ると、指に触れることが抵抗になって音がかわるんです。
そのトランジスタを違うものに変えることで音の変化があって、そういった改造をしています。
光に反応するセンサーをつけて、玩具が光ることで音が出るように改造をしているものもあります。

改造した子供の玩具をお客さんに託して、お客さんが出した音ともセッションをしている映像です。



お客さんも齧り付きで興味を持っていました。


ラストはJosh Bessさん
「Stemを使ったライブセットの構築/演奏」というテーマで、最近、自身がリリースしたトラックを題材にして、完成した楽曲をライブパフォーマンス用にセットアップする方法を紹介してくれました。



Stemとは、ドラム、ベース、シンセなど同系統の楽器を1つのグループにまとめて処理する手法です。
Native InstrumentsもTRAKTOR PRO 2.9から、Stem DecksというStemファイルのロードと再生が可能な機能が搭載されました。
TRAKTOR上のStem Decksは、あくまで4つのパートで行いますが、今回、Josh Bessさんの25トラック使って制作したオリジナルトラックを6つのグループにまとめて、現場で自由に組み合わせながらプレイする方法を説明してくれました。



グループ化してそれぞれに別々のエフェクトをかけていったり、他の曲のパートを持って来たり、通常の2ミックス同士の音源をミックスするより、より自由度の高いプレイが出来ます。

自分で作ったトラックをこうしてグループ化させる方法とは別に、すでにグループ化されたStemsフォーマットの楽曲も販売されています。

Beatport
https://pro.beatport.com/stems

Bleep
https://bleep.com/stream/stems

Juno
http://www.junodownload.com/stems

Wasabeat
https://www.wasabeat.com/stems

特にPCでDJをする場合、こういったPCでしか出来ないメリットを最大限に活かして、新しいスタイルに挑戦していくのは、クリエイティブで楽しいですね!


こういった、CD HATA的にも自分の活動に有益な情報満載で行われた第一回目でした。
そして何より、普通のテクニカル系のイベントだと、どうしても堅苦しいというか、腕を組んで、必死にメモをとりながら(もちろん自分も大事なことはメモとったりしているんですが)、それだけではないパーティー感というか、ざっくばらんに飲みながらプレゼンテーターに質問出来たり、参加者同士で情報交換したりが気軽に出来る場として機能しています。



共通の趣味・趣向を持った人たちが集まる=「Meet up」という言葉が表していますね。

そして、11月14日(土) Red Bull Studios Tokyo Hall にて開催される「Ableton Meetup Tokyo Special Session」に、Ableton認定トレーナーと一緒にCD HATAも参加します。



AbletonもLive 9.5とPush 2が発表されましたね。
さっそくPush 2を体験できる"Push Playground"も設置されます。
また、ソファが並ぶレクチャーホールで、アーティストへのインタビューがあったり、Red Bullお馴染みの”カウチ・スタイル”でリラックスしながら見られる”Artist Sessions” 事前に募集した参加者同士がAbleton Liveでジャムセッションを行う”Ableton Laptop Jam”などなど。

Facebookイベントページ : https://www.facebook.com/events/901246293305096/

しかも、なんとこれ入場無料で、食べ物や飲み物も振る舞われるという大盤振る舞いです。
なのですが、すみません、人気殺到で予約人数が定員に達してしまい…

でも、年内にもう一回、三軒茶屋Space Orbitで『Ableton Meetup Tokyo』がありますし、今後も情報はFacebook Ableton Meetup Tokyo のページで確認出来ますのでチェックしてみて下さいね。

今回このプレミアムなイベントに参加される方は会場でお会いしましょう!
Red Bull Studios Tokyo Hallは凄い設備が整っているし楽しみです。
Ableton Liveを酒の肴に語り合うのも乙なものですね。
乾杯~!!!

  CD HATA

Photo by Ken Kawamura
いつもナイスな写真ありがとう。




archive
第一回 「Kaossilator Pro」その1
第二回 「Kaossilator Pro」その2
第三回 温故知新!?
第四回 「PICnome(ピクノーム)」その1
第五回 「PICnome(ピクノーム)」その2
第六回 「CI2+ de CUBASE 」
第七回 音楽制作の移り変わりと時代の変化に対する不可分的相関関係について!?!(タイトルなげぇ?!?)
第八回 「年末スペシャル」MIXに深みあり、人に歴史あり!!!
第九回 新年のご挨拶
第十回 KAOSS PAD QUAD「くわぁ~ドォ!!!」
第十一回 【社会の時間】社会科見学の巻
第十二回 音を見る!!!
第十三回 りらっくスタジオ
第十四回 新年あけまして~!!!旅のお供にmonotron DUO&monotron DELAY
第十五回 やっぱ幅の広さは大切ッスね!!!
第十六回 スペインはバスクからのウェルカム!!!
第十七回 裏の裏は表だったのだ!!!
第十八回 人生がインプロビゼーション
第十九回 一枚のアルバムができるまで
第二十回 やっぱり繋がりって大切ですよね!!!
第二十一回 マ~ヤっぱり2013年もよろしくおねがぁいをしま~す!!!
第二十二回 このコラム 3rdアニバーサリーなのさ~ど!!!
第二十三回 へび年クネクネ振り返る!!!
第二十四回 小さな巨人『littleBits』
第二十五回 わかりはじめたハイレゾリューション
第二十六回 世界基準の田舎テクノフェス その名「rural」
第二十七回 Ableton Liveを酒の肴に
第二十八回 形あるものへの美学
第二十九回 Machine-de-MUSICとMASCHINEで
第三十回 モジュラーシンセは無限大の音作り
第三十一回 シンセ番長の大博物館
第三十二回 "CD HATA & MASARU / Octopus Roope" 音の中身はこうなっている
第三十三回 日本初 音楽カンファレンス&イベント『TOKYO DANCE MUSIC EVENT』
第三十四回 蜻蛉-TONBO-「Tokyo Mad Cave」リリース記念 O.N.O a.k.a MachineLive対談インタビュー
第三十五回 Machine-de-MUSIC 北海道編 第一弾 kuniyuki studio
第三十六回 Machine-de-MUSIC 北海道編 第二弾 Hideo Kobayashi studio
第三十七回 Sakiko Osawa「Chronic」リリース 日々研究
profile
DJ HATA
CD HATA


Yahoo公認フェス番長”Dachambo”のシンセサイザー担当
Dachamboは5度のフジロックへの出演しており、ライジングサン、朝霧jam、サマーソニックなど日本のフェスへ多数出演することで、Yahooよりフェス番長の称号を与えられる。
またオーストラリアツアー、アメリカツアーなどワールドワイドに活躍し2016年9月16日ベスト盤アルバム”HERBEST”をリリース
http://goo.gl/ywPyvU

CD HATA名義のテクノDJとしても、野外フェス、クラブイベントで精力的に活動中
remix制作、MixCDリリース、アンビエントアルバムをリリースし、オーストラリアやフランス~スペインツアーなど海外でも活躍し、元i-depの藤枝伸介との「Polar Chalors」Ableton認定トレーナーKOYASとの「CD HATA×KOYAS」kannonsoundプロデューサーMASARUとの「CD HATA&MASARU」等、多彩なリリースを重ねる。

また、300ページに及ぶ「Logic Studio テクニカルマスター」執筆などデジタル機材に精通しており、DJスクールidpsで楽曲制作の講師を務める。
http://www.idpsorg.com/production


『CD HATA』
facebook
http://www.facebook.com/CDHATADachambo
Twitter
http://twitter.com/DJHATA_Dachambo
tumblr
http://hatadachambo.tumblr.com/
mixcloud
http://www.mixcloud.com/CDHATA/
YouTube
http://www.youtube.com/playlist?list=PLMm1DgIPaBk-QX9Lq-k-TfyV_RhrCQHDc
beatport
https://pro.beatport.com/artist/cd-hata/190156

INFOMATION


海外・日本の第一線で活躍する現役DJを常任講師として迎えているDJスクール「IDPS」にてCD HATAも講師をしています。
東京校楽曲制作コースではLogic Proを、楽曲制作オンラインコースではAbleton LiveまたはLogic Proを選択可能となっています。
興味のある方は、カウンセリングの予約をお願いします。

東京校 楽曲制作コース
http://www.idpsorg.com/production

楽曲制作オンラインコース
http://www.idpsorg.com/production_online


DJ SCHEDULE


2017/5/19 (FRI)
『caldera』
at RAF-REC
18:00 - 0:00

GUEST DJ
CD HATA from DACHAMBO

DJ
JOJO(FANTASIA)
SAITOPEN(SANDINISTA/OPEN)
ryohei(BASE the SPACE)
yoshiki(caldera)

Used Cd / Record & Cafe
【RAF-REC】
〒990-0828
山形県山形市双葉町2-1-1

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/294297070999411/





2017.05.20 (SAT)
『ONENESS』

at THEARTER (福島県郡山市清水台1-6-9 八幡プラザ3階) OPEN/START 22:00
DOOR 2,500yen(w/1D)

Special Guest
CD HATA (Dachambo)

Guest DJ
U-SKE (dob masala)

DJ's
HII (ONENESS/GRASSCODE)
Sho Nagamine (HOOP)
Syuhey

Dachamboのサイケデリックシンセストと活躍し、昨年末にテクノトラックをCD HATA&MASARU名義でOctopus Roopeをリリースし勢いが増しているCD HATAさんが1年半ぶりに来郡です!
そして会津の重鎮U-SKEさんも出演です!
良質なダンスミュージックを体感しに是非とも!

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/1845972062332859/





2017/5/26 (Fri) 『TYPE NINE』
@Aoyama TenT
OPEN 22:00~
Charge:1,000yen(with 1D)
- 出入り自由

■Line up
CD HATA(Dachambo)
TOMO HACHIGA(HYDRANT/NT.LAB)
K.N.(hydraulix/original mass recording)
CHIE NAKAJIMA(RE:INSOLENCE)
Gradate (Tokyo Bass Music)
SHIT DUO
SHINICHIRO IMANARI(09recordings)

2016年から都内で不定期開催するテクノパーティー「TYPE NINE」。今回は日本最強(狂)サイケデリックジャムバンド"Dachambo"のシンサイザー担当CD HATAと前回に引き続き再登場となる孤高のダークミニマリストTOMO HACHIGA、そして日本のACID TECHNO第一人者にて、日本のアンダーグランドテクノシーンをリードするK.N.が緊急参戦いたします。

Aoyama TenT
東京都渋谷区東1-2-23 旧ma東ビル3F

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/304063510016494





2017.5.27 (SAT)
『Oregon Eclipse 2017 Teaser in TOKYO』

今夏、アメリカ・オレゴン州で開催される「オレゴン皆既日食フェス」のプレパーティー「Oregon Eclipse 2017 Teaser in TOKYO」が5月27日(土)に新木場ageHaにて開催決定!

Dachambo
CD HATA
出演

【 Oregon Eclipse 2017とは?】
オレゴンの大自然の中、アートや音楽に囲まれて1週間キャンプをしながら皆既日食を観測するという巨大野外イベント。
世界中400以上のアーティストが7つのステージに集結し、3万人以上のオーディエンスが熱狂する!

http://www.clubberia.com/ja/events/266803-OREGON-ECLIPSE-2017-TEASER-in-TOKYO/



INFOMATION
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