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2022年1月:欧州ナイトクラブの状況まとめ

 ホリデーシーズンに合わせるかのように、欧州で急増した新型コロナウイルスの変異ウイルス・オミクロン株。症例の増加と伝染性の高いオミクロン株の脅威に直面して、12月に入るとともに各国のナイトクラブは次々に閉鎖されたが、その対応は国によって大きく異なっている。特にロンドンでは感染者が増加しているものの、ナイトクラブが閉鎖されずに新年を迎えており、導入されていた措置も今月末に解除される見通しだ。また閉鎖されていたスコットランド、ウェールズのナイトクラブは来週より再開予定となっている。しかし、ほとんどの国のナイトクラブへの規制は依然として厳しいままだ。本記事では、欧州各国のナイトクラブの状況をお伝えしたい。(2022年1月19日現在)

ドイツ - ベルリン
 2021年12月8日より、ナイトクラブでのダンスが禁止されている。これに対し、12月13日にClubcommission Berlinが「批判する」声明を発表。「パンデミックの間も社会生活を継続できるようにする」ために「行動主義ではなく明確な戦略が必要である」と政府に訴え、ダンス禁止の取り消しと会場への入場にPCRテストの新しいシステムを実装することを求めている。これはダンス再開前の8月に開催されたパイロットプロジェクトで、PCRテストによって保証される安全性が明らかになったからだ。また同月に11人のクラブ運営者と主催者がベルリン行政裁判所にダンス禁止に反対する緊急の申請を提出もしているが、ダンスは現在も禁止されている。ベルリンではコロナの感染者数が日々増加しており、今月3日から9日までKlunkerkranich、about blank、Mensch Meier、Sage Beachの各クラブが予防接種会場となり、コロナワクチン接種キャンペーンが行われた。

イギリス - ロンドン、スコットランド、ウェールズ
 2021年12月5日に英国政府がオミクロン株の蔓延防止に取り組むため、「プランB」措置を発表。ナイトクラブの入場に際して、コロナワクチン接種を2回受けたことを証明するワクチンパスポートの提示、もしくは抗原検査かPCRテストでの陰性証明を提示することが義務付けられた。このプランは12月15日より適用されているが今月末に解除される可能性があるとのこと。また12月27日よりナイトクラブが閉鎖されたスコットランドは、来週24日以降に再開することが許可された。ウェールズも1月28日からナイトクラブの再開が許可されている。

フランス
 2021年12月6日よりナイトクラブは4週間の閉鎖を命じられていたが、同月29日に規制が強化され、追って通知があるまで閉鎖したままにすることが決定。現在も閉鎖されている。またフランスではレストラン、バー、その他の娯楽施設に入店する際、
ワクチンパスポートが必要となる新ルールが可決され、近日中に導入される。

イタリア
 2021年12月24日に施行されたクリスマスの法令により、今月31日までパーティー、コンサート、野外イベントなどが禁止されている。その為、ナイトクラブも現在閉鎖となっている。

ポルトガル
 コロナウイルス感染の急増により当初予定していた閉鎖を1週間早めて、2021年12月25日から今月14日までナイトクラブとバーは閉鎖された。14日より再開となっているが、ナイトクラブやバーの入場や、大規模なイベントなどに参加するにはブースターショットのワクチン接種の証明、もしくは抗原検査の陰性証明の提示が義務付けられている。

オランダ
 2021年12月19日より、すべての不要な店舗、バー、レストラン、映画館、劇場、美術館が閉鎖。今月14日より小売店やショップ、ジム、美容院など一部の不要不急の事業は規則が緩和され営業再開となっているが、ナイトクラブ やバー、レストラン、文化施設などは少なくとも1月25日まで閉鎖される。

デンマーク
 今月16日より文化施設に関する規則を緩和し、映画館、劇場、美術館、コンサート会場などの再開を許可したが、ナイトナイフに関する規制は31日までとなっている。緩和された施設に入場するにはワクチン接種の証明、もしくは抗原検査の陰性証明の提示が義務付けられている。

ギリシャ
 新年のコロナ規制の措置を前倒しし、2021年12月30日よりバー、ナイトクラブ、レストランで音楽の演奏と立ち客が禁止となり、営業時間が午前0時までに制限されている。この措置は今月17日に終了される予定だったが、24日まで延長されることが発表された。

スペイン
 スペイン北部の地域では、2021年12月28日より新しい制限が設けられアストゥリアスとカンタブリアはクラブを完全に閉鎖。アラゴンとナバラでは深夜0時過ぎに閉鎖することを命じられている。またカナリア諸島のひとつであるテネリフェ島は、感染者が急増したため、ナイトクラブの収容人数が25%に制限され、一部の屋内施設に入るにはワクチンのパスポートを提示しなければならなくなった。

 昨年の夏、ナイトクラブの営業が再開となり、少しずつ活気を取り戻し始めた欧州のクラブシーンだったが、冬を迎えて元に戻ってしまったように思う。だが、ワクチンパスポートの導入やブースターワクチンの接種などの対応により、一歩ずつ前に進んでいるのは確かだ。日本でも感染者数が増加したことによって、「まん延防止等重点措置」が新たに適用される方針となっているが悲観的にならず、自分の置かれた環境で最大限出来ることを考え、近い未来のサポートに繋げていってほしい。

引用元

https://ra.co/news/76535
https://mixmag.net/read/berlin-clubcommission-calls-for-dancing-ban-to-be-lifted-news

https://www.chroniclelive.co.uk/news/uk-news/new-spain-travel-rules-full-22768381