INTERVIEWS
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Michael Mayer

- Wolfgang Voigtが運営するレコードショップにあなたが行き、その品揃えの悪さにアドバイスをしたことがきっかけでKompaktが動き出したというのは本当ですか?

 それは本当の話だよ。僕は普段は生意気な人間じゃないんだけど、Voigtの新しいレコード屋がオープンすることをとても楽しみにしていたし、実際、すごく期待して彼のお店に行ったんだ。だから僕はその時に彼のお店に対する自分の不満を遠慮なく伝えたんだ。それが結果的に自分の人生で1番大切な瞬間になったんだけどね。おもしろいだろ?(笑)

  - おもしろいお話ですね(笑)。あなたは当時どんなレコードを期待してVoigtのお店へ足を運んだんですか?

 その頃の僕は、例えばDJ Pierre's Wild PitchやNu Grooveといったラフな荒々しい系のUSハウスやデトロイトのディープな作品に夢中だった。僕は音楽が大好きで、音楽に対して飽き足らない欲を持っているから、ハウスミュージックやテクノは当時の僕にとっては比較的新しいジャンルで、当時すごくハマって聴いていた音楽の中の1つだよ。そんな素晴らしい音楽と出会えると期待に胸を膨らませて彼のお店に行ったのを今でも覚えているよ。
 
- 20年間レーベルを運営している中で、ターニングポイントとなる出来事や思い出に残っていることなどを教えてください。

 そうだなぁ…忘れられない思い出は、たくさん有り過ぎて選ぶのが難しいけど、Pet Shop Boysのレコードをリリースできたのは突出した素晴らしい出来事だね。それと、2003年にKOMPAKTの本部を移動させたことかな。DJをやっている友達の引越しを手伝ったことのある人なら分かってもらえると思うけど、レコード屋、ディストリビューション用の倉庫、それと事務所の3つ全てを違う場所に移したんだから本当に大変だった。果敢にも勇気ある10人のスタッフが朝の8時から過酷な仕事に直面して、お昼をまわる頃には5人が脱落して…まるでゾンビ映画のように、恐ろしいウィルスが蔓延してどんどん人の命が失われていくようだった。最終的に全部で100万枚ものレコードを3人だけで移動させたのだけど、10年経った今でもその時に痛めた身体が疼くんだ(笑)。
 
- 90年代初頭といえば、インテリジェントテクノとレイヴカルチャーのイメージがあります。ドイツでもLove ParadeやMay Dayなどが開催され始めたのもこの時期です。1990年頃は音楽史にとって1つの転機だったと思うのですが、当時を振り返ってみてどうでしたか?あなたも何か影響された部分はあるのでしょうか?

 80年代後期にアシッドハウスに何となくちょっと手をつけた後、そうだな…1991年にNu Groove、Nervous、Strictly RhythmといったNYのハウスのレーベルに出会って、それが僕のターニングポイントになったんだ。僕はしっかりレッスンを受けて訓練を積んだ音楽家なんだけど、僕が学んだことでは説明できない何かがハウスミュージックの中にはあると感じた。昔のレコードをサンプルして作られていたから、とてもセクシーだったし、僕には、ものすごく新鮮な音楽だった。ほとんどと言っていいほど音程は狂っていたけど、でも意図してそうした訳ではなくて、それは偶然が生んだアクシデントだったんだ。僕にとっては今までに体験したことのないもので、それまで熱心に聴いていたバッハとは「正確にテンポの合ったピアノなんてF$#K!」ってお別れしたよ(笑)

  - レーベル、ディストリビューション、アーティストマネージメント、ブッキング・エージェントと音楽に付随する仕事を自分たちで行っており、まさにDIYを体現していますが、Kompaktでは今どれほどのスタッフが働いているのですか?また、これほどの業務を行いながら、アーティストとしての仕事もあり大変ではないですか?

 かなり昔に決断したことなんだけど、自分のクリエイティヴィティーだけに依存したくなくて、アーティストとしてのキャリア以外のフィールドでも音楽と携わる仕事をしたかったんだ。この陰陽的なアプローチは今でも僕のバランスをとても良く保ってくれているよ。最初から25人もの従業員を抱えて会社をやろうなんて計画していなかったからね。Kompakはオーガニックにゆっくりと育っていったけど、さらなる成長を遂げるには常に何か不可欠なことがあるよね。チーム一丸となって仕事をすることは本当に刺激的で、毎日彼らと一緒に仕事に取り組むのは今でもチャレンジだよ。でも、僕が最初に好きになったのはDJをすることの方だけどね。
- 日本のMule Musiqのディストリビューションも行われていますよね?Mule Musiqに関してどのようなイメージをお持ちですか?また取り扱うようになった経緯なども教えてください。

 トシヤ・カワサキが僕の最初の日本ツアーをしてくれたのは、確か2000年頃だった。お互いに気が合ったからとても仲が良くなって、その後何年かは毎回一緒にツアーをした。最初に彼が東京から何かを発信させるレーベルを始めるアイディアを教えてくれた時、僕は直ぐに賛成して興奮した。だって東京は非常に強い音楽シーンを持っているにも関わらず、当時の発信力はシーンの強さに比べたら弱かったしね。彼はシンプル且つ非常に効果的なコンセプトでシーンを変化させ始めたんだ。例えば彼は自分が好きな海外のアーティストと日本のローカルアーティストとを上手く組み合わせたりして、とても強い印象と良い評判を作り上げたと思う。彼が成し遂げたことと同じことを出来ているレーベルは数少ないよ。彼のレーベルのアーティストは魅力的だし、僕は彼を素晴らしいスキルを持ったA&Rとして尊敬しているよ。
 
- 日本でレーベルをしている友人に、日本国内でアナログを作ること、そして海外のディストリビューションと契約することはとても大変だと聞いたことがあるのですが、それは本当でしょうか?

 そうだね。やはり日本国内でレコードをプレスして海外へ向けて発送するとコストがとても高い。ヨーロッパでプレスした方が全然安いし、ヨーロッパのマーケット全体の方がより量も売ることができるからね。それと日本から輸出されたレコードをヨーロッパで売るのは難しいと思う。
 
- Kompaktといったら、我々はHiroshi Watanabeの名前が真っ先に出てきます。彼とはどのように出会ったのでしょうか?

 あれは春だったんだけど、夏に向けてのKompaktのスタッフのみんなのモチベーションが高くて「もう1つのサマー・オブ・ラブ」かと思ってもおかしくないぐらいだった。そのシチュエーションに最適なサウンドトラックが必要だと感じていて…ソウルフルな良質なトランスミュージックを復活させようぐらいに盛り上がった日があってね。その次の日にKaitoからデモ音源が届いて聴いてみたら、まさに僕らが欲していた音だったんだ。その年はとても良い夏になったし、またKomapktの歴史の中でも、もちろんKaitoを含めて素晴らしい作品がたくさんリリースできた祝うべく年だったよ。まるで御伽話が実現したかのようだったよ。
- 私の勝手なイメージかもしれませんが、Kompaktやあなたに完璧主義的な印象があります。それは20年という長い間レーベルを発展し続けている様子や、音楽も正統派なものからユニークな音楽まで、どこか知的な印象を受けるからです。ご自身ではKompaktをどのようなレーベルだと思っていますか?また、ご自身の人間性はどう思われてますか?

 僕は自分の夢を追い続けている普通の人だよ。でも、Komapktはパーツの集合体としてすごいレーベルだよ。Wolfgang、JurgenそしてReinhardをパートナーとして持てたことは、我々の人生の全てを良い意味で変えてくれた。僕たちは自分たちの最大のパッションである音楽で、どうやって生き抜いていこうかを探している単純な人の集まりではなくて、20年経っても兄弟のような関係を持てる仲間なんだ。殴り合いの喧嘩なんてしたことも無いし、今でも自分たちを驚かすことができるから、チームとしての僕らの間には何か魔法のようなエネルギーがあると感じている。僕らはビジネスマンとしてではなく、アーティストとしてこの会社を運営しているんだ。誇りを持ってね。お金を稼ぐことも良いと思うけど、でもそれは僕らが今Kompaktをやっている理由ではないんだ。
- 20周年を記念しリリースしたコンピレーションアルバム『20 Jahre Kompakt / Kollektion 1』ですが、過去の膨大なバックカタログの中から25曲を選ぶのは大変だったんじゃなかったですか?また、今回はベストアルバムではなく、今アーカイヴすべき曲を収録したとプレスリリースに書かれてましたが、具体的にはどういったことでしょうか?

 KompaktとそのサブレーベルKompakt Extra、kompakt PopそしてK20をわせるととにかく膨大な数のリリースがあるから、その中から25曲だけを選ぶのは本当に難題だ。何を持ってベストとするか?売れた枚数?プレイされた回数?今クラシックスとしてされているもの?定義するのは難しいよね。だから僕らはよりパーソナルなアプローチを取って、何よりもAからZまでの流れを聴くことに喜びを感じられるよう、アルバム的なまとまりのあるコレクションにしようと決めたんだ。それでもレーベルが持っている全てのカタログから、たった2枚のCDに凝縮することはできなかったから、今年中に「Kollektion 2」をリリースするよ。大切なKompaktの遺産の中から、コンセプトに合った楽曲を選べたと後で感じれるといいなと思っているんだ。

  - 20周年を記念して、KOMPAKT.JAPANの第4回目の開催が5月2日に代官山UNITで行われますね。20周年を記念したメモリアルなパーティーを随時開催してくれるようですが、今後はどのくらいのペースでどういった内容になるのでしょうか?

 レーベルとして一貫性を持つ必要がある。僕らがUNITで開催しているKOMPAKT.JAPANはその一貫性とサウンド、そしてアーティストをより定期的に反映しようとしているんだ。20周年記念のパーティーは、来年の3月頃まで続く予定で、僕らのスピリットの全てを反映できるスケールの大きなイベントを東京も含めた僕らの大好きな世界の主要都市で行なおうと計画をしているよ。今ちょうどプランを作っているところだから、内容を教えるのは早すぎるけどね。

  - 今回、来日するSacha Funkeですが、あなたから見て彼の魅力を教えてください。また、彼と彼の妻によるユニットSaschienneに関しても同様に教えてください。

 Sascha FunkeはKompaktをスタートした時からの僕らのファミリーの1人だよ。Saschaが奥さんのJulienneに出会った瞬間に彼らはアーティスティックな部分でも繋がったのさ。とてもレアなことだよね。2人の愛はキックドラムの1つ1つの音にまで表現されているんだ。彼らはテクノミュージック界の中で最もロマンチックなアーティストだよ。
 
- この20年の音楽生活を振り返ってみていかがですか?言葉にするとどのような20年だったでしょうか?

 シンプルだけど「Kompakt」。これに尽きるね。
 
- Infomation -

タイトル:KOMPAKT.JAPAN 04
開催日:5月2日(木)
会場:代官山"UNIT"
料金:当日¥3500 WF¥3000 前売¥3000円
時間:23時
出演:【UNIT】[DJ] Sascha Funke (KOMPAKT / BPitch Control / Germany), Ametsub (nothings66), [LIVE] Saschienne (KOMPAKT / Germany), Kaito aka Hiroshi Watanabe (KOMPAKT), 【SALOON presented by Expected】[DJ] DJ Endo (Converge+), Naka-G (Pangea), Matsunami (TRI-BUTE), [Visual Production] marimosphere, [Plants] Isao Soejima, [Rousoku] Kana Tsudura


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