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OBLIVION BALL(11/24)

東京と大阪、計3公演で開催されたUnderworldの来日公演。今回レポートに行ったのは、11/24(土)に幕張メッセで開催された東京公演『OBLIVION BALL』。23時過ぎに会場に入ると、まず目に付いたのは、壁一面に展開される、約45m×7mの巨大な白いキャンバスだった。TOMATOのオリジナルメンバーであるJohn Warwicker、Simon Taylor、Karl Hyde (Underworld)らが中心となって、巨大なキャンバスに絵を描き、イベントの進行と共に完成に向かっていくといった仕掛けになっている。一方、フロアは120 Days、Simian Mobile Disco、Underworld、The Orbの各ライブの合間にAndrew Weatherallが1時間ずつのDJセットを計4回披露するという、今までに無かった新しい構成で進行していく。

Underworld, Tomato & Friends Photo : Masanori Naruse 120 Days Photo : Junko Yoda Simian Mobile Disco Photo : Akiyo フロアへ入ると、ステージ天井にはミラーボール、そして全体を囲むようにしてスクリーンがいくつも配置され、壮大なお祭りを予感させる。既にSimian Mobile Discoのライブが始まっており、図太いエレクトロ・サウンドが響き渡り、大型イベントだからこそ味わえる極上のサウンドシステムに、まずは圧倒された。また、写真でもわかる様、モジュラー・シンセなどの機材を360度円形にセッティングしたステージが印象的だった。所々に山場を作ったセットで、中でも名曲HUSTLER", "IT'S THE BEATが流れた瞬間、激しすぎるほどのビートの嵐と共にフロアは一気にヒートアップ。 Underworld Photo : Teppei 続いて、Andrew Weatheralが、心地よいDub setを披露。そして本日のメインアクト、Underworldの登場!派手なシャツのKarlと、ラフな格好で機材と向き合うRickはまるで対象的。ライブは1曲目"Nu Train"からスタートし、ニューアルバム「Oblivion With Bells」に収録されている"Crocodile", "Boy, Boy, Boy"と続き、"Cowgirl"と"Rez"を組み合わせたアップリフトな展開へとシフト。その後、途中クールダウンさせながらも、"Two Months Off", "Born Slippy Nuxx"などの代表的アンセムを連発し、"Moaner"で締めくくる。そして、アンコールで演奏されたのは"Jumbo"。"Jumbo"は体をクールダウンさせてくれるだけではなく、美しい最後を演出してくれた。尚、2007年11月24日の幕張メッセでのライブをそのままパッケージしたCD「Live at OBLIVION BALL 24.11.07」が先日発売されたので、是非、当日のライブを聴いてもらいたい。 ■Underworld / Live at OBLIVION BALL 24.11.07 http://www.clubberia.com/Release/Detail/?id=2057 The Orb Photo : Masanori Naruse The Orbのライブは、UKで活動するミュージシャンたちを引き連れライブを敢行。Simian Mobile Disco、Underworldのアグレッシブな2組とは異なるユルめのステージで、これまで手掛けてきた楽曲を存分に披露。レゲエ、ダブ、ハウス、テクノまで、実に幅広い内容で最後までオーディエンスを飽きさせなかった。 Andrew Weatheral Photo : Masanori Naruse イベントのトリを飾るのは、Andrew WeatheralのOld Skool set。今までIndie/Dance set、Dub set、Nu Skool setと様々なスタイルでプレイしてきたが、クライマックスに向けてアップテンポなスタイルにシフトし、アグレッシブな曲を立て続けに繋いで攻めていき、最後までオーディエンスを引っ張ってくれた。このセットはその名の通り80年代末から90年代中盤のクラブアンセムを中心としたセットでA Guy Called Geraldの”Voodoo Ray”でスタートし、808 Stateの”Pacific State”等もスピン。そして、忘れもしないのが明け方に名曲"Strings of Life"が流れた時だ。この時ばかりは完全に仕事を忘れていた。各ライブの合間に4つのまったく別のセットを巧みに使い分けたWeatherallは、個人的に今回のイベントの中で一番光っていた。