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Thomas P Heckmann

 1994年にDRAX LTD名義でAMPHETAMINEのスマッシュヒットを飛ばし、SKYDIVER、SILENTBREED、KNARZなどの数多くの名義で無数の名作を産んできたジャーマンテクノ界の重鎮Thomas P. Heckmann。膨大な機材のコレクションを用いて製作される楽曲は実験的で常に新しく、メインストリームから逸脱した彼ならではのオリジナルを生み出し続けている。その彼が、10月24日(土)代官山UNITで開催される「Vortex VII - Re:Evolution -」にて2時間にライブセットを披露。来日直前の彼に自身の生い立ち、愛用機材や曲に対するこだわり、そして来日公演についての意気込みを語ってもらった。

Interview : VORTEX (MASA,YUTA)
翻訳 : Hiroko

 

 

この10年は自分でマスタリングまで行っていて完璧な状態で仕上げられるようにしている。そして機材に関するプラグインは一切使わない。
 
 

 

 

ーー電子楽器を初めて触ったのはいつですか?

 70年代初期に祖父のベースギターをさわったのが初めてで、その後80年代に電子オルガンや電子ゲーム、カシオのVL-1(1981年に発売された電卓、シンセサイザー、ミュージックシーケンサーの機能を持つVL-Toneシリーズの最初の楽器)を経験したことが今につながっているんじゃないかと思っているよ。


ーー初めて使用したシンセは何ですか?

最初に買ったキーボードはカシオのVL-1で、本格的なシンセサイザーは16歳の誕生日の時に手に入れたKORGのPoly800とYamahaのCS-001Ⅱだったね。 

 

 

 
ーーVL-1懐かしいですね。気分はクラフトワークでしたよね。では、現在に至るテクノサウンドを作り始めたきっかけは何だったんですか?


Kraftwerk、Pink Floyd、Beatles、Stones、JimiHendrix、Doorsなどを聴いて育ち、自分が曲を作り始めた当初はニューウェイブや初期電子音楽と呼ばれていたね。作曲は他の人より早い時期から初めていたけど、テクノを作り始めたのは80年代後期かな。


ーー今までのシンセサイザーで一番のお気に入りは何ですか? その使用用途、楽曲、シンセに関する秘密や技などあれば教えて下さい。

たくさんの機材を持っているのでどれが一番とは言いいづらいな。常に新しいものを試して実験しているよ。今まで触った物の中でも好きな機材はOdyssey、SH-101、TB-303、TR-808、CMU 810、System 100M、ARP 2600、PPG 300 Modular、Wave 2.0だけど、どれが一番とは言いづらいね…。


ーー相当な機材オタクですね。やはりどれもが一番ですよね。では楽曲制作はどのように進めてますか? アナログ機器以外にPCやプラグインなども使用しますか? またプラグイン、アウトボード関連でオススメはありますか?

今は実際に機材を使いながらジャムって作ることが多く、それをライブセッションとして録音して後からMacでその曲のパーツとパーツに分けてパソコンで編成しているよ。この10年は自分でマスタリングまでを行っていて完璧な状態で仕上げられるようにしている。そして機材に関するプラグインは一切使わない。時々Reaktorを使用する程度かな。EFXに関しては、Eventide、Lexicon、Mutron、TC、tube take echoes & delays、spring reverbs、 guitar pedalsなどを好んで使っているよ。 
 
 

 

 

とにかく自分が面白いと思うものを作る挑戦を続け、自分がかっこいいと思えるものだけを作るのみ。
 

 

 

ーーそういえば昔Xavier(ex JUNO REACTOR)とレーベルをやってましたよね? このようなトランスとテクノなどジャンルの狭間や、クロスオーバーしたところに新たな面白さを発見するのですが、あなたから見て今一番興味深いシーンはどこですか? また、ダンスミュージックの現在は極細分化、多様化してますがこの先どのような新たなスタイルが生まれてくると思いますか? 

カッティングエッジだと思うところは25歳の時から常に変わっていなくて、自分がテクノをリリースし始めた時は世の中のトレンドにはまったく無関心だった。とにかく自分が面白いと思うものを作る挑戦を続け、自分がかっこいいと思えるものだけを作るのみ。自分が作った曲は、いまだによくプレイされ続けていて、最近の曲は本当に寿命が短いと感じるよ。 
 

 

 

ーーカッティングエッジの効いたオリジナルは常に新しいということですね。最近では日本のトランスシーンでもレトロブームがありました。日本のテクノシーンにおいても、ゴアトランスよりも古いアシッドテクノやEBMが「Vortex」を中心に数年前から徐々に浸透し始めています。このようなレトロブームはドイツ本国でもありますか?

多くの人がレトロブームというけれど、実際にはそうではないようにも思うな。でも最近のDJたちが寿命の短い最近の曲をかけ続けるから、それに飽きて自分たちの古い曲をプレイしていることを最近知ったね。


ーー時代に関わらずやはり良いものは良いということですよね。 今ヨーロッパで最も面白いと思うパーティ、フェスティバルは何ですか?

どれがベストか正直よくわからないな。自分は常にベストを尽くしクラブでプレイしているし。フェスティバルとかには無関心だな。


ーーヨーロッパのシーンと、日本のシーンではどんな違いがありますか?

シーンの動向は気にしてないから、あまり説明できないなぁ…。

 
ーー90年代から日本公演を行ってますが、あなたから見て日本のシーンの移り変わり、変化など感じますか?

日本人のファンはとても献身的で今も昔も変わっていないと思う。 どの国でも同じだけど、年月がたってみんな歳をとり経験値が上がり、その経験を活かして若い世代たちにも新たな感動を与えていくべきかなと思っているね。 
 
 

 

 

仕事をしながら趣味程度に音楽を続けるのがベスト
 

 

 

ーー最近のお気に入りの曲や若手アーティストはいますか?

<AFU Limited>のアーティストの曲は、いい曲が多くて感動するね。 

 

 

ーー若手ミュージシャンに何かアドバイスはありますか?

このアドバイスはちょっとおかしいかもしれないけれど、仕事をしながら趣味程度に音楽を続けるのがベストだと伝えたい(笑)。


ーーなるほど的確で厳しいご意見ですね。あなたが今、最も力を入れているのはどんなことですか? 楽曲制作なのか、レーベル運営なのか、あなた自身の活動について教えて下さい。

自分は週7日24時間ずっと音楽に関わり続けている。レーベル運営、マスタリング、録音…そのすべてを一人でやっているからね。しかもアングラな気分でね(笑)。 でも自分はこのやり方がしっくりくるね。 

 

 

ーーさすがインダストリアルのボスですね(笑)。 では日本での思い出を教えて下さい。好きな場所はありますか?

良い思い出が日本にはたくさんあり、多くの友人もいる。マジンガーZなどの超合金のおもちゃを買ったりもして、自分の彼女共々、日本の文化が大好きなんだ。自宅には日本の台所用品もあり、日本酒も飲むし、日本風の部屋も作ったほどだよ! 今までに東京、大阪、京都、広島、奈良、熊本、福岡などを旅していて、好きな場所がたくさんある。なにより日本のファンの狂喜と献身的な姿勢が大好きだね。


ーーありがとうごさいます。では最後に、2時間に及ぶ今回のフルセットライブについてあなたの思いと見所を日本のオーディエンスに一言お願いします。

今回はエクスペリメンタルからアシッド、テクノ、ボディを混ぜて、ライブでできる限りラウドにプレイしたいんだ。それを実現させてくれた日本のファン達に感謝するし、ありがとうございますと伝えたい。絶対ナイスパーティーになると思っているから、皆さん是非東京と名古屋で会いましょう。オタクマスターThomas P. Heckmannより

 

 

 - Event Information -

タイトル:Vortex VII - Re:Evolution -
開催日:10月24日(土)
時間:23時
会場:代官山UNIT
料金:前売  3,000円 当日 4,000円
出演 : 【UNIT】[Special Live Set] Thomas P.Heckmann (from Germany/troperecordings) [Opening Live] Shintaro (from Okinawa/Hypnodisk) [Djs] MASA, YUTA [Vj] KOTA [Deco] SamayaDesign [Light] Yocchi
【Saloon】DIGITALBLOCK Floor [Djs] Makio a.k.a Asteroidnos,  HEAD★HUNTERS,  DAIJIRO, CHOKO, CHIE [VISUAL] DOT.TV 

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