2011-06-23 UP

System 7

先ごろ、前作から4年ぶりとなるアルバム「UP」をリリースしたばかりのベテランユニット「System 7」。A Guy Called Gerald、勝井祐二(Rovo)、Josh Wink、Carl Craig、A.Mochi……と、多種多様なコラボレーションアーティストを起用した本作。どのようなことにインスピレーションを受けたのか、それぞれのアーティストと共作するに至った経緯、そして彼らが考える「2012年以降の人々の変革」についてなどを伺った。

 

System 7 / POSITIVENOISE Video clip (Directed by NoodMagic)
http://www.youtube.com/watch?v=TUFz5b-cCPs

 

Interview : Kotaro

本作は、前作の手塚治虫作品からのインスピレーションのようなコンセプチュアルなものは反映されていないのだけれど、大きな意味で解釈すると、本作は「火の鳥~鳳凰編」の「我王の悟り」を表現しているといってもいいかもしれない。そして「Up」は、よりシンプルにミニマルテクノ的なフィーリングを提示しようと試みたんだ。このところ、頻繁にベルリンを訪れるのだけれど、そこで出会うテクノシーンのクラウドたちから、とてもポジティブなヴァイブレーションを放ちながら楽しんでいるフィーリングを感じ取ることができたんだ。そして、それは90年代後半のテクノシーンの「ソレ」とは異質のものだったんだよ。とくにUKのテクノシーンのダークなムードとは明らかに違ったんだ。このベルリンでの体験が本作「Up」のベースとなるインスピレーションの源かな!?

A Guy Called Geraldとは、彼がロンドンに住んでいた90年代からの付き合いなんだ。今回のアルバム制作以前から、エレクトリックセッションをしていたし、そんな数々のセッションの中から「PositiveNoise」と「I Seem To Be a Verb 」をアルバムに収録することにしたんだ。

以前から「Funky Gong」っていう響きがとてもクールだと思っていたから、「ここぞ!」とばかりに曲名として使用させてもらったんだ。今回「Funky Gong」とオリジナルの曲名から敢えて変更したのには2つ理由があって、一つ目は、かつて僕らが活躍していたサイケデリック・ロックバンド「GONG」に因んだ名前を付けるのは、僕らのファンにとっても何か特別な意味があると考えたのと、二つ目は、彼の名前を今以上にもっと世界に広めてあげたかったからなんだ。

僕らが初めてROVOを知ったのは2002年の「武尊祭」だった。前作「火の鳥」の際に一度コラボレーションを考えたのだけれど、タイミングが合わなくて……。しかし、GONGのアルバム「2032」で「エレクトリック・バイオリンを入れたらいいのではないか?」というひらめきがあったので、早速参加してもらったんだ。目論みどおり、すばらしいでき映えになったので、昨年僕らが代官山UNITに来日した際に、急遽ライブセットに参加してもらい新曲「Berimbau」にバイオリンをかぶせてもらったんだ。Berimbauはブラジルにある民族楽器の名前なんだけれど、 祐二にこの楽器のことを話したら、知っているというだけでなく、所有もしているというからビックリしたよ!ちなみにそんな祐二のROVOと、僕らSystem 7のスペシャルコラボレーションライブが今年の11月に日本で実現する予定だよ。

Dolphin Smack のオリジナル曲は、よくDJセットで使わせてもらっていたんだ。この曲は他の曲のブレイクにミックスして差し込むのにとても相性がよかったんだ。この曲は僕らのライブセットにもたまに素材として差し込んだりもするくらい、相性がよかったんだよ。ベルリンでアルバム制作をしている最中に「こんなに相性がいいならDolphin SmackをSystem 7 Mixとしてアルバムに収録してみたらどうか?」というアイディアが思い浮かんだので、早速Joshに相談したら快諾してくれたんだ。

Carl Craig とは、僕らのトラックを初めてリミックスしたのが1994年、そして1995年にアルバム「Power of Seven」という作品をコラボレーションで発表している間柄なんだ。最近もデジタルでのリリースのみだけれど、「System 7 Classics」というリミックス作品で、Carlにも参加してもらっているんだ。そしてこのCarlのリミックスがベルリンの人々にものすごく評判がよくて「Sysytem 7関連の楽曲の中でNo.1だ!」と言ってくれる人も多くてね……。ならば、「『PositiveNoise』のリミックスもCarlにやってもらってみては?」と考えたんだ彼独特のテクノ感が盛り込まれていると思うよ。それと、今回の作品に日本人のリミキサーを起用したかったんだ。そんな中、ヨーロッパのテクノシーンで急成長し、ものすごく評判いい日本人アーティストA.Mochiを知るきっかけがあったんだ。彼はドイツではものすごく評価が高いからね……。彼がこの楽曲を手がけてくれたのは日本が大震災に見舞われた数日後……。そんな大変な最中に仕上げてくれた本作の中に、日本人のすばらしい前向きさを見出すことができたよ。そういう意味でもまさにこの作品には「PositiveNoise」が秘められていると思うよ。

遡ると、初めて森本晃司の作品で感動したのは、1995年にKen Ishiiの「Extra」のビデオクリップを観たときなんだ。2004年に彼と初めて会った際「せひ一緒に仕事がしたい」と言ってくれたのはすごくうれしかったよ。そんな縁から彼に加え、迫田遙、渡部暁と共にMood Magicというユニット名を名乗り、ファンタスティックな手法で僕らの楽曲を彩ってくれているんだ。彼らの作品はサイケデリックなエネルギーをとても現代的な表現で、かつ未来的手法を用いて表現してくれている。これからも僕らと共に作品をクリエイトしていくパートナーであってほしいと思っているよ。今回のビデオクリップ「PositiveNoise」はたくさんの愛に満ちあふれた作品だよ。

僕らはマヤ歴が示している、2012年12月で人類が終焉するという説を信じていないんだ。確かに近年とても重大な災害が世界各地で起きているけれど……。とくに日本での3.11は顕著な例だよね。でも、そんな災害は地球の歴史上何度も起きているし、これから先も起こって行くことだと思うんだ。こうした地球規模の災害は特定の日付が決められて襲いかかるというものではないと考えているよ。我々が2012年のマヤ歴を信じるとするならば、それは「スピリチュアルなレベルでの人類の変革を意味するタイミング」だと考えているよ。それは「終わり」ということではなく、新しいサイクルへの「始まり」のような……。壮大な新年へのカウントダウンとも言えるだろうね……。なのでマヤ歴の示す2012年12月を、我々はポジティヴに捉え、祝うべきだと考えています。グアテマラのマヤ先住民族の指導者「ドン・アレハンドロ・Cirilo・ペレス・Oxlaj」はこう言っています。「パニックを引き起こさないで下さい。そうしたパニックが2012年の終焉のシナリオへのきっかけとなってしまうかもしれません。こうしたことに、精神的エネルギーを得る人も居れば、神経質になってしまう人が少なからず出てくるであろう」と指摘しています。私達のアルバム「UP」には、2012年のシナリオに関して、「上を向きポジティブに振る舞い、寛大であってほしい。あなたの仲間、そして人間を愛し、地球を癒すために働いてほしい。人生は続きます。我々と共に歩んで行きましょう!」ということをメッセージとして秘めています。

今年はアルバムリリースに合わせて、多くのライブセットを世界中のフェスティバルにてプレイすることになっています。日本では「FUJI ROCK FESTIVAL」に出演する予定。さらに11月にはROVOと共にこの日のためだけのスペシャルライブセットをコラボレーションで披露する予定だよ。そして現在ROVOのリミックスを制作しているほか、SUGIZOの楽曲のリミックスも手がけているよ。あとは、某有名バンドと共に、新しいレコードレーベルを立ち上げる予定もあるんだ。さらに2012年の5月から6月にかけて、再びGONGのLiveツアーをすることを計画中だよ。

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