2008-11-27 UP

Lark Chillout

東京、大阪、京都、宮崎、ニューヨーク等に点在する多数のDJ/プロデューサー達によって構成されたブレイクビーツ集団、“A.Y.B.Force”としてBulljunやTonda Trio、Matsumoto Hisataakaa、Ulticut Ups!、Mercedes Boyといったアクの強い才能が寄り集まっているこの集団の、中心人物、Lark Chillout。Lark Chillout名義では初となるアルバム「Drumline -Works-」をドロップしたばかりの彼にインタビューを決行!世界観タップリ、ダーティー・サーティーの思いをしっかり詰め込んだアルバムの真相に迫る! ■Lark Chillout「Drumline -Works-」 http://www.clubberia.com/Release/Detail/?id=2341 ■Lark Chillout Profile http://www.clubberia.com/Artist/Detail/?id=1919

Interview & Text:onepeace / Media Factory

─ Bulljunさんのインタビュー以来ですね。ご無沙汰してます。その節はお世話になりました。

いえいえ、こちらこそです。

─ 今回の「Drumline-Works-」ですが、Larkさん個人名義では初のCDリリースですよね?

そうなりますね。色々な名義で出してたけど基本的にはA.Y.B.単位でしかやってなかったんで・・・。

─ では今回のアルバムはどういう経緯でリリースされることになったのでしょうか?

そうですね、「Lost Breaks」(注:A.Y.B. Force名義)をリリースした後に色々ちょっとスローダウンさせたくて、自分達や自分自身の曲とかをガッチリ制作するとかじゃなければ多分そんなにシンドくないし大丈夫だろうと思って、裏方として「Bulljun & El Barrio 2016」(P-Vine)とか「Funk Remind」(Handcuts)とか、Bulljun関連のリリースの時に富田清やYasu君(注:Yasu2000。A.Y.B.ForceやBulljun関連作品の大半と、今回の全楽曲のミキシングやレコーディングを担当した気鋭エンジニア)と一緒に手伝ったりしてたんですけど、ちょうどその時期に色々とリミックスの依頼を頂いてて、まぁ素材をイジるだけなら別にそんなにしんどくはないかな?とか軽く思ってて、来るものを拒まない感じでどんどん引き受けちゃったんですよね。そしたらコレがまた意外と大変で・・・当然オリジナル超えを狙いたいと思うじゃないですか?でも絶対素材を殺したくはないし、かつクライアントや聴いてくれる人をガッカリさあせちゃいけないし、でもそれに見合うだけのインスピレーションもなかなか降りてこないし、で(笑。

─ そうだったんですね。割とサクサクこなされている印象だったんですが。

いやいや、とんでもないです。結局シンドさは普通の制作作業とそんなに変わんなくって、その事に気付いた時にはもう完全に後の祭りでした笑。でもYasu2000のエンジニア・スキルにも助けられながら何とか数をこなしていく内に(楽曲が)それなりの数になって、何となくV.A.でCDとか出せそうだな~とか思えたんで、一度Onepeace(注:音源制作会社)に相談してみたんですよ。そしたら「ソレ面白いかもしれませんね。日本でそういうリリースしてる人ってあんまりいないから。」とか言われて。確かに今まで日本人でそういう形態でCDにまとめてたのって、パッと思いつくのは丹南くん(注:脱線3のKING3LDK)のアルバムぐらいだったし。元々そんなつもりは全く無かったんですが。

─ そういう成り行きだったんですね。どおりでこのCD、参加アーティストがちょっと面白い事になってますよね?ヒップホップの大物がいるかと思えば、サイプレス上野とロベルト吉野だったり、ジブリのカヴァーだったり、歌モノが入ってたり・・・。

ね?メチャクチャですよね笑。しかもジャケットでは天守閣が炎上しているという。訳分かんない事になってしまいました。

─ いやあ、でもあれ長尾謙一郎さんが描いてるんですよね?ある意味凄いですよ。これまたどういった経緯で?

自分名義のアルバムとはいえリミックス集なんで、それぞれ自分が手掛けた音源ではあっても、純粋なワガママを入れる余地ってのは実はそんなに無いんですよね。でもせっかくなんでどっかにワガママを反映させたくて・・・じゃあ今から言えるワガママって何だろう?って考えた時に出てきたのが、まず一つがCDのマスタリングで、そこはどうしても青山にあるワーナーのマスタリング・スタジオの田中さん((注:マスターズ・ラボのベテラン・エンジニア。A.Y.B.やBulljun、Tonda Trioのアルバムのマスタリングを担当している。)に頼みたくて。それでもう一つはやっぱりアートワークだなー、と。それでメディア・ファクトリーさん(注:配給元)経由でお願いしてみた結果、ダメ元だったんだけど意外にもOKが頂けて。

─ おお、凄いですねそれは。長尾先生の描き下ろしですか?

いや、違いますね。言わばちゃんと小学館さんからクリアランスを取った上でサンプリングさせて頂いた感じで。『ギャラクシー銀座』の単行本の2巻に出てますよ、その城が燃えてるコマが(笑。

─ なるほど、では早速チェックしてみます。では「天空の城のラピュタ」のカヴァーも同じような経緯でスタジオジブリさんから許諾を得てから進められたんですか?

いやいや、それはまた全然違うというか、僕らみたいなのがジブリのカヴァーをやりたい!なんて思う訳無いじゃないですか笑?国民的なホニャララなのは知ってるけど正直そんなに馴染みも無かったし、寧ろ話を頂いたときは戸惑いましたね。一体何を求められてて何が出来るのかな?と。まず話自体はジブリ音楽のオフィシャル・カヴァー集を出すからってことでヴィレッジ・ヴァンガードさんから頂いて、こっちはこっちでさっき言ったみたいな感じで基本的に全て拒まず受けるようにしていたんで、そんな成り行きで。

─ それがあの「キラキラジブリ」ですね?今のジブリ・カヴァー企画シリーズの先駆けだった・・・。

そうですね。それでヴィレッジ・ヴァンガードさんと色々話を詰めた結果、どうやら先方的にはジブリ楽曲のテイストと僕らのテイストとのミスマッチと、+αの「キラキラ」感を期待されてるってのが分かってきたんで、「Hello Friends」のリミックス(注:アルバムM-2収録)の縁で45さんに色んなフレーズを用意して貰って、あとはそれを取捨選択して切り貼りしてシーケンスしていくという作業で。

─ あのイントロの入り方が凄い印象的でした。

そこに反応して貰えるのはホント嬉しいですね。単に「キラキラ」してるだけのブレイクビーツ・カヴァーにはしたくなかったというか、いくら元が久石譲さんだからって、日本人の心にジワ~ッと染みる和テイストな感じにしちゃうのは安直過ぎて絶対に嫌だったというか。だから、自分達が普段どんなスタンスでどんなことをやってんのかってことを、軽く盛り込んでおきたいな、と。

─ と、いうと?

メロとか歌声とか、ピアノやヴィヴラフォンなんかの特定の楽器の音色とか、そういうのは確かに取っ掛かり易い部分ではあるけれど、なんだか凄いコンサバな感じがしてて・・・当然僕も日本人だから、そういうのが受け入れられ易いのはよく分かるんだけども、やっぱりソレって演歌や歌謡曲や盆踊りを楽しむのとそんなに変わんないなぁ、とか思えて。

─ つまり?

ヒップホップとかクラブ・ミュージックとかが一般化してる筈なのに、やっぱり本質的には変わってないのかもなぁ、なんて。で、普段の僕らといえばホラ、コンサバ感覚への詐欺というか、迎合してるフリだけで基本はパブリックのエネミーだから、あのデタラメなイントロとかが、聴く人達に引っ掛かればいいなぁ、と。ライセンス・トゥ・イルじゃないけど笑。でも、元々ファンクとかヒップホップとかブレイクビーツとか、或いはクラブ・ミュージックやレベル・ミュージックって呼ばれてるものの本当の魅力って、そういう窮屈なコンサバティヴ感の外側にあると思うんですよね。

─ なるほど、例え取っ掛かり易い導線があったとしても、聴いて感じて欲しい部分はそこじゃない、と。

まぁ、そうですね。元々ただレコード買ってレコード売ってレコード回して・・・ってしてるだけで、楽器や歌が出来る訳もなくて、そういう意味じゃ本来ミュージシャンやアーティストっていう訳でもなくて、まっとうな音楽の世界で言えば最初から部外者だと思うんですよ。ただ、だからこそそういう呪縛の外側で、いっちょ前に音楽っぽいことやって遊んでますよ、っていうのが、あのイントロとかアウトロで分かって貰えたら嬉しいな、と。

─ じゃあCDに入ってる他の曲もそういうつもりで聴いてみると、また違って聴こえてくるのかもしれないですね。

そうですね、あくまでそういうつもりでお付き合い頂けるのであれば、ですけどね。とりあえず懐は広めに、敷居は低めに(笑。

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