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MIC GERONIMO

N.Y.はクイーンズ出身のラッパー、マイク・ジェロニモ。95年のデビュー・シングル「シッツ・リアル」で巷の注目をかき集め、同年に1stアルバム『ナチュラル』をリリース。口ごもったような声から繰り広げられる淡々としたラップはシブく、ストリートの厳しさを綴ったリリックと相まって、あのプロディジーを彷彿とさせるムードが醸されていた。またトラック面においては、ツブの粗いビートが敷かれた不穏で冷たくて曇った雰囲気のサウンド、つまり、非常にアンダーグラウンド・テイストなナンバー群が創出された。ちなみに、それらのサウンドの首謀者は、その後メ悪の枢軸'として悪名を馳せるレーベルの総裁アーヴ・ガッティ([DJ]アーヴ)である。97年の2nd『ヴェンデッタ』ではメジャー・シーンで活躍するプロデューサーたちを起用し、よりポップな側面を浮き立たせた。しかし、こと巷の支持率においては、断然前作に軍配が上がる。さらに久方ぶりのシーン復帰作(?)『ロング・ロード・バック』(03年)も、結果的に成功したとはいえないだろう。