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OUT PUT / Manami Sakamoto - vol.6
「NY発、フリーランス・デジタルアートプラットフォーム」Interview - Patricia Gloum(Brawhaus)

 Clubberiaをご覧の皆さま、こんにちは。ほんの少し春が見えてきた3月いかがお過ごしでしょうか?
私はというと緊急事態宣言に入ったこともあり、ゆっくり時間が訪れたので今まで以上に友達と連絡を取り合いお互いの状況をシェアしていたりしてました。知らない間に新しいことを初めていたり挑戦している人もたくさんいて、とても刺激を受けてます。

 今回は、そんな友人たちの1人でVJ仲間そしてフリーランス仲間でもありNYに拠点を置くフリーランス専門のデジタルアート・コレクティブ「BrawHaus」のオーナー、Patricia Gloum(パトリシア・グルーム)にお話を伺いました。

Patricia Gloum
ニューヨークを拠点に、ボストンで生まれ、ギリシャとスペインのルーツを持ちながらパリで育ったGloumの作品は、様々なエフォートレスな都市の影響が見事に混ざり合ったように感じられる。彼女の映画に対する初期の情熱とビジョンは、次第に監督としての賞を受賞するほどの成果をあげている。物語の非直線的な形での限界を押し広げ、VJの世界へ。パトリシアはデジタルアートのクリエイティブハウス、Braw Hausを共同設立した。

(左)Patricia Gloum (右)Braw Haus共同設立者のJustine Vilgrain

KINIDA  - Muri Apa

Muri Apa - Kinida from PatriciaGloum on Vimeo.

Patriciaが監督した最新のミュージックビデオ。Muri Apaは韓国語で”頭痛”という意味で恋愛が上手くいかなってきた時の気持ちを表現したもの。ハイファッション、ストリート、実験的アートと隠されたメッセージがミックスされたビデオは多様なルーツを持つ彼女だからこそ創り出せる世界観に感じる。


Do u for u

Do u for u from PatriciaGloum on Vimeo.

Patriciaが監督したミュージックビデオ。見ず知らずの二人が、お互いを通して自分の個性を探求し、表現していく様子を描いた作品。撮影はほぼ弾丸で行われ、NYの地下鉄を舞台にディレクターやメイクアップアーティストなど撮影に関わるスタッフ総出で1車両をジャックし、そこにたまたま乗り合わせた乗客も即興でエキストラになるなどなんともNYらしい?撮影方法で撮られたそう。本作は、イギリス・チェルシーのFilm FestivalやカナダのFilm Festivalにてベストミュージックビデオ等を受賞。


Caraa - She’s got your back

Caraa - She's got your back from PatriciaGloum on Vimeo.

NY拠点のバッグ・アクセサリーブランドCaraaのブランドムービー。


Manami(以下M) : まず、Brawhausについて教えてください。

Patricia(以下P) : Brawhausは、世界中の文化的なスペースを介してそれらを公開するだけでなく、私たちのプラットフォームを介して人々がよりシンプルにデジタルアーティストを発見させることを目的とした新時代のクリエイティブスタジオです。
我々はデジタルアート&3Dとビデオを混合することにより、ボックスのコンテンツのうちの作成に情熱を注いでいる世界的な映像制作者のグループです。
Brawhaus

#BrawHausArtist

#BrawHausArtist from Braw Haus on Vimeo.

世界各地のフリーランスデザイナーを集めたデジタルアート・プラットフォーム。主にInstagramをベースに展開されている。国籍、性別、年齢の分け目なく多種多様の表現が溢れお気に入りのアーティストのアカウントにダイレクトに飛べるのも魅力の1つ。

M : どうしてBrawhausを始めたのですか?

P : Brawhausは、世界のすべてのフリーランサーを団結させ、私たちが好きなプロジェクトでリモートで作業し、ミニ起業家でありながら、私たちは一人ではないと感じることができるようにするために私たちのネットワークを共有するというアイデアから始まりました。Brawは、すべての性別に包括的ですが、初めは女性から女性へのサポートを示すことを目的として始まりました。多くの女性が競い合う中で育った私は、一緒に働いて “Bro’s"(Brawが女性版)になれば、一緒に不思議なことができるということを世界に表現し、普遍的な絆を広げていく必要性を感じこのプロジェクトを始めたのです。

Dirk Koy


Molly DeNoir


Kakia Konstantinaki

Patriciaが特にオススメのアーティスト達。ロサンゼルスやギリシャなど拠点はそれぞれ。


M : NYのフリーランサーの現状はどんな状況ですか?

P :  今のパンデミックな状況を考えると、ちょっと変な感じがしますね。とはいえ、フリーランスのライフスタイルに魅力を感じる人は増えてきているし、仕事がないというリスクを恐れなくなってきていると思います。私はより多くの人々を見ています。自分が幸せになれるものを作り、自分の個人的なプロジェクトに集中しています。

M : Brawhausには多くの日本人アーティストも在籍していますよね。どのようにピックアップしたのでしょうか?また選ぶ際の基準などはあるのでしょうか?

P : ジャスティン (共同オーナー)と一緒に、ピックアップする際に決めている唯一の基準としては、私たちとは違うことを考え、リスクを冒し、自分自身を表現することを恐れていないアーティストを選びたいと思っていることです。変わっているかもしれませんが、枠にとらわれない発想をすればするほど、選ばれるチャンスは増えると思います。
私たちが見つけた日本のアーティストは、Instagramの検索で見つけたものですが、うまく検索して、ナビゲートする方法を知っていれば、たくさんの素晴らしい作品との出会いがあります。

Kaoru Tanaka


Nobumichi Asai


Kouhei Nakama

BrawHausで紹介されている日本人アーティスト達。元々繋がりがあったわけではなくPatriciaとJustinがそれぞれInstagramで彼らを見つけダイレクトメッセージを送り交渉。遥か遠いNYにも作品が届く事に改めてSNSの偉大さを感じる。

M : 確か去年に美術館でBrawhaus展をやっていましたよね?感触はいかがでしたか?

P : これまでにも小さな体験型の展示を数多く行ってきましたが、今回はフランスのパリで開催するep7で最大規模の展示を行うことになりました。私たちは3人の選ばれたデジタルアーティストを展示し、ビルのファサードに一週間投影しました。Brawhausの成長を見るのはとてもエキサイティングで、特にパンデミックの時に、より大きなスペースでゆっくりとデジタルアートを広めることができるようになってきたことを実感しています。でも私たちの希望は、すぐにでも日本進出することです!ははは。


ニューヨーク、マイアミ、パリなど様々な都市で開催されているBrawhaus展。少しずつ規模も大きくなり新たな都市での展開も考えてるそう。写真はマイアミのアートスペースで行われた展示の様子。

M : 今後Brawhausではどのようなことをしていきたいですか?またあなた自身の目標を教えてください。

P : 私たちは、Brawhausがデジタルアートのための主要なリソース、人々がデジタルアートについて体験することができ、学ぶことができるプラットフォームであることを望んでいます。私たちは、デジタル世界のニュース技術やアーティストを表現/展示するメインのプラットフォームとして認識されたいと思っています。Braw Haus studioは、デジタルと映像が一つになる優れた映像を制作していきます。映像的にも未来的にも存在しない世界を創造していきます。

M : 話は変わりますが、今のニューヨークの状況は?

P : NYの状況は不安定で、帰国しなければならない人もいれば、混乱の中で頭を抱えながら留まっている人もいます。パンデミックのおかげで、私たちはより仲良くなり、お互いを大切にし、FOMOを感じることなく、より質の高い時間を過ごすことができるようになったと思います。それは素晴らしいことです。 また、時間がたくさんできたので行ったことのない街へ散歩に行くなど有意義な時間を与えてくれました。

M : 今の状況においてアーティストが今やるべきことは何だと思いますか?

P : 自分の道を考え、自分の作品を作る。未来を意識しながらも、現在に焦点を当て、これらの休止期間があなた達の芸術に何をもたらすことができるかに焦点を当ててください。 

M  : 最後に一言お願いします。

P : 世界は目の前にあり、世界は変わりつつあり、アートはもっと身近なものになる。あなたのアートを通して愛を共有し、未来を共有しましょう!私たちは今まで以上に繋がっています。私たちは今、これまで以上に繋がりを持ち異文化の架け橋となることに興奮しています。

日本でもフリーランスクリエーターという職業はさほど珍しくなくなってきた昨今。普段個人で仕事をしている身としてもBrawhausのようなクリエーター・アーティスト同士が繋がり世界に広まりそれがビジネスに発展していくプラットフォームがあることはとても素晴らしいものだと感じます。
Patriciaが言うように自分の道を考え自分の作品を作る。今の休止期間をポジティブに捉え未来を考えていく彼女の姿にとても影響を受けました。
BrawhausのInstagramでは、ほぼ毎日のように様々な都市の多種多様なクリエーター・アーティストを紹介しているので興味がある方は是非訪れてみてください。
https://www.pioneerdj.com/ja-jp/product/software/wedj/dj-app/overview/