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「現代の音に合うように」 ageHa の象徴“真っ赤なスピーカー”がリニューアル

 2002年に新木場でオープンして以来、国内外の有名アーティストを招聘したさまざまなイベントで、数多くのオーディエンスを楽しませてきた日本最大級のクラブイベントageHa。約2,400名収容のアリーナに加え、ロケーションの異なるさまざまなフロアで行われる週末のパーティーは、毎回多くの人で賑わい、大人の夜のワンダーランドとして一際高い人気を誇っている。
 ageHaを象徴するもののひとつに、メインフロアの頭上に配置された真っ赤な34機の4ウェイフルレンジアンプ付スピーカー、通称“オクタゴンスピーカー”がある。ageHaは国内にひとつしかないこのオクタゴンスピーカーを、13年の時を経てリニューアルした。そして、ageHa初となる「スピーカー試聴会」が、6月9日(木)に開催された。


Photo by Satomi Namba (clubberia)  
 いつもはオーディエンスの熱気で溢れかえっているアリーナに入場すると、普段天井近くに位置する34台のオクタゴンスピーカーを擁したトラスが低位置まで下がっており、クラシックミュージックがBGMとして流れていた。アリーナには所縁のあるアーティストから、クラブ業界やオーディオ業界などの関係者が集まっていた。
 
 ageHaを運営するMOTHER Entertainmentの常務取締役を務める梅村哲也氏の挨拶から始まる。彼の話によると、本スピーカーのアンプ、ユニット入れ替えはゴールデンウィークの翌週から始まっており、着工から約2ヵ月かけてスピーカーの環境構築を完了させたという。イベントの開催と平行して行われたということもあって、リニューアルにかかった時間からその苦労が伺える。
 
 その後、ageHaの音響担当者であり、今回のリニューアル作業のプロデューサーを務めたWAVES小林氏がリニューアルについて語った。まず、今回のリニューアルのポイントのひとつとして、音の出力の“速さ”の向上化が挙げられた。13年前ではあまり普及していなかったデジタル音源が現在では主流になりつつあり、デジタルに対する音の立ち上りの速さを追求し、新たなアンプの導入に至ったという。導入されたパワーアンプは、低音、中低音用ユニットに使用されるAmcron製「MA-5000i」と、高音用ユニット、ツイーターに使用されるCAMCO製「D-Power 1」の2つ。「D-Power 1」はデジタルアンプで、どちらも高音質なサウンドを高次元で再現可能。ユニット部も新調もされ、ageHaの音響設計思想はそのままに、音の向上化に結び付いた結果となった。
 
 機材の紹介が終わると、いよいよ実際に音楽を鳴らしての試聴会へ。最初に流れたのはNorah Jonesの「Don't Know Why」。小林氏が説明の際に“歌が映えるようなセッティングにしている”と語っていたが、確かにボーカルにかかった微量なリバーブさえも感じられるほどクリアな音像が体感できた。軽快なファンクや、アップテンポなダンストラックを試聴した後、参加者が持ち寄った曲を流し合うバックトゥバックタイムへ。硬いミニマルテクノから重厚なトランス、そしてEDMなどさまざまな特徴をもつサウンドが、次々と流れていた。曲をかけた者は、スピーカーから放たれる良質なサウンドを噛みしめるように聴き入っていた。
 
 また、ageHaのスピーカー試聴会の中で、Pioneer DJ株式会社が今夏の発売する「CDJ-TOUR1」、「DJM-TOUR1」を試聴機として紹介した。96kHz/24-bitのハイレゾ音源再生可能として注目を集めるTOUR SYSTEMを、一新されたオクタゴンスピーカーで試聴。両機はスペイン・イビザでしか披露されていなかったため、今回が国内初披露となった。
 
 時代の移り変わりとともに音楽シーンのトレンドは変化していくが、聴く環境もまた変化していくものなのだと改めて考えさせられた。そして、時代もイベント内容も13年前とは違うなか生まれ変わったこのオクタゴンスピーカーは、この先人々にどのような音による快感をもたらせてくれるのだろうか。最先端のサウンドクオリティを再現可能とするこのサウンドシステムを体験しない手はない。
29
MAR

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