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WAREIKA

フロリアン:日本のみなさん、初めまして。私たちはドイツのハンブルグという海沿いの美しい街に住んでいる3人組のユニット、Wareikaです。メンバーは元々、個々に活動していた仲間たちで、それぞれのルーツ—ジャズやとエレクトロニックミュージック、とくにみんなFela Kutiと、ベーシック・チャンネルが大好きだったんだ—が同じことで意気投合して一緒に活動を開始したんだ。それぞれがお互いに意見を交換して一緒にWareikaの音楽を作っていて、今回のアルバムはそうした活動を3年間経て完成されたんだ。 ジェイコブ:3人がセッションした最初のシングル「Men Village」が完成した時からWareikaの活動はスタートしたんだ。セッションの過程で、言葉よりも音を通じてメンバーと会話することはとてもクリエイティヴなことだと感じたんだ。だからWareikaの音楽は「音を通じたコミュニケーションの記録」だと思う。Wareikaという名前の由来は、ご指摘のとおりジャマイカ音楽のルーツである「Wareika・ヒル」(かつて有名なラスタ・コミューンがあった、キングストンの西のはずれの丘一帯の名称)からで、ナイヤビンギの多重的なドラムサウンドは、Wareikaの丘をメディテーショナルな特別な場所にしていたんだ。それはレゲエやダブのルーツとされているよね。もちろん僕たちの音楽の一要素として、ジャマイカ音楽からは多大な影響を受けているよ。 フロリアン:このアルバムを作る過程でWareikaのサウンドはとても成長したんだ。制作過程でいろいろなアイデアが生まれて、メンバー個々のWareikaに対する情熱が集合したのがこのアルバム。最近完成したアルバムを何度も聴いて、とても温かくて力強いサウンドをパッケージできたと感じたよ。 ヘンリク:このアルバムは、リスナーに僕らのライヴを体験しているような錯覚を抱かせる雰囲気にしたかったんだ。僕らのライヴにはイキイキとした躍動感があるから、リスナーにもそれを感じて欲しいという意味を込めてね。僕らは生楽器とコンピュ−ターを使ったオーガニックなサウンドを、いつも発展させていきたいんだ。 ジェイコブ:上の質問でも答えたように、僕らにとってライヴ感覚はとても大事な要素なんだ。僕らはいつもセッションを繰り返しながら音楽を作るんだけど、完成されたトラックはその時点でベストだったもので、次に同じ作品をセッションするときには別なアイデアが生まれている。だから今回のアルバムにはライヴ時のちょっとしたミスや、小さなノイズも入ったままだったけど、ベストなライヴセッションを収録したんだ。だから今「Men Village」をライヴでプレイするときにはまた違った作品になっているよ。 ヘンリク:それは僕らがリズムについて深く研究した結果かもしれないね。展開の中に緊張感とリラックスした部分を効果的に組み合わせることによって、独特の浮遊感を生み出しているんだ。ポリリズムを取り入れることで、ディープなセッションを生み出しているからね。「Ascending Descending」は7/8拍子、「Barracuda」は5/4拍子とリズムに対する探求心は無限だよ。僕らは意図的にジャンルやスタイルのブレンドを行っているわけではなく、セッションの中から生まれ出てくるフィーリングを大事にしているんだ。サンプリングも使わないしね。リズムだけでなく、メロディやリフ1つでも、それらの組み合わせでどんな音楽にでもなれる可能性を秘めているんだ。 ジェイコブ:メンバーのフロリアンが、Ricardoと何度かコラボレイトしたことがあって、この曲を送ったら連絡をくれたんだ。そのとき彼にリミックスのアイデアがあって、このリミックスが生まれたんだ。 ヘンリク:この曲は確かにバルカン地方の伝統音楽からヒントを得た作品で、トルコのミュージシャンに演奏の仕方を教えてもらったんだ。すぐにトランペットとサックスをプレイできるようになったよ(笑)。 フロリアン:もちろん彼らのサウンドは大好きだよ。16才のときにTheo ParrishのDJを初めて体験して、その翌週にKDJからリリースされたシングル「Tell Me All The Way Back」には衝撃を受けたな。この作品で直接彼らのサウンドを意識したわけではないけど、影響は受けているかもしれないね。僕はFela Kutiが大好きで「O.D.O.O」という作品が大好きなんだ。彼らのルーツであるJames Brownも大好きだし、ブラックミュージックにはいつも興味を持っているよ。 1. Gus Gus「24/7」(KOMPAKT)
彼らと3週間ヨーロッパツアーを一緒に廻ったんだ。すばらしいライヴだったね。その1週間後に、僕たちによるGus Gus「This Ice」リミックスがリリースされて、クラブで何度も耳にしてすごくうれしかったよ。

2. Mathias Kaden「Studio 10」(VAKANT)
フロリアンがこのアルバムにヴォーカリストとして参加しているんだ。僕らはこのアルバムからのニューシングルに、リミックスを提供したよ。4月にDJ Kozeのリミックスと一緒に"VAKANT"からリリースされる予定だよ。

3. dOP「タイトル未定」(レーベル未定)
このアルバムはまだリリースされていないけど、パリで彼らと一緒に、アルバムに収録される予定のトラックでセッションしたんだ。きっとすばらしいアルバムになるに違いないよ! dOP、DJ Mujava、Raoul Kかな。 フロリアン:Wareikaは結成したときから、バンドの形態で活動しているんだ。3人のプロデューサーによるプロジェクトではなくバンドでね。ジェイコブはジャズドラマーのようなMPCで、僕はキーボードとヴォーカルで、ヘンリクはファンキーなギターで、ライヴセッションは毎回違う流れになるから、予想はつかないけどベストなライヴを目指すよ! 今年はとにかくライヴでさまざまなところを廻りたいね。ライヴセッションは本当に楽しいし、たくさんの新しい発見があるんだ。もちろんいくつかのリリースも予定しているから楽しみにしていてね。