INTERVIEWS
>

Derrick May

そんなの大好きに決まってる!好きじゃなきゃやらないって。 俺が知る限りでは、もともとダイゾウ(※AIRプロデューサー村田大造氏)のアイデアだ。最初は、"Microcosmos"のミックスCDとして、もっとメローなものを作るという話だった。でも俺が作ったミックスを送ったところ、「これはAIRの雰囲気にぴったりだ。AIRのミックスとして出そう!」という話になった。だから、このCDはダイゾーと、長年俺のプロモーターをやってくれているワタナベ(※渡邊亮氏)のおかげで実現したものなんだ。 よし、この質問にはChuckに答えてもらおう。ここにChuckを呼んでくる!(※Chuckは現在建設中のDerrickの新居の建設スタッフの1人)なぜなら、俺がこのミックスを自宅のスタジオで録ったとき、Chuckが隣に座って俺がかけたレコードをメモる係だったんだ!

―Chuck登場―

Chuck「こんにちわー。えーと、その答えはノーです。何も決めずに、すべてその場で選んでかけてました!間違いないです。僕、隣でずっと見てましたから」 そんなんじゃないんだよな。俺はそういう考え方はしないんだ。ただやるだけ。「Just do it」だよ。 うれしかったよ。一般の人たちが投票してくれた結果だから。「DJ Mag」ほどの権威はないけど、「DJ Mag」のはその年の興行成績、つまりどれだけ金を生み出したかってことだけで順位を決めているのに対して、RAのチャートはお客さんの声が本当に反映されていると思うから、その中で18位になれたのは喜ばしいことだ。でも、それだけ俺も努力してきてる。俺は今までこの手のチャートで15位以上になったことがない。「DJ Mag」でそのくらいになったのも、もう15年前とかだ。だから、一切気にしないことにしているけど、やはり上位になれば当然気分はいいよ。来年はわからないけどね。おもしろいのは、俺はずっと同じことをやり続けてるだけなのに、その年によって結果が変わるってことだ。今年になって、突然俺のよさに気づいたヤツが増えたってことなのか?何もやってることは変えてないぜ? いや、むしろ少なかった。俺の予想では、昨年"Transmat"を復活させてGreg GowのEPを発表したのと、トリノで「Movement」を開催したことによって、それまでより注目が集まったんだろう。「デリックはまだ活動していて、DJとしてのスキルも変わらず、ちゃんと仕事をしてる」ってことを認識した人が増えたんだろう。たまたま、その場に居合わせるタイミングのあった人が感心して投票してくれたんだろう。こういう人たちは、たとえば"Space Lab YELLOW"に俺を聴きにくる客とは違う。わざわざ足を運んで俺のプレイを聴きに来たことがない人たちだ。そういう人たちが、俺のプレイを見る機会があったってことなんじゃないか。あの手の「世界のベストクラブ」みたいなチャートにYELLOWが載らないのと同じこと。なぜならYELLOWに行ったことがないからだ。こういう投票をする人たちは、ほとんどが1度しかそいつのプレイを聴いたことがないか、ミックスCDを聴いて、聴いた気になっている。生のプレイを体験してない。だからあの投票でRichie Hawtin が1位だったのも納得できた。Richieはずっと最前線で活動しているし、知名度を落とさず、そういう幅広いリスナーにアピールするのがうまい。俺はリッチーを世界一のDJだとは思わないが、人気があるのはよくわかるよ。 働くこと!今までと同じように、手を緩めずにしっかり仕事をし続けることだ。言葉にすると単純なことのように思えるが、実践するのはそう簡単じゃない。とくに俺みたいに、ヴァイナルにこだわっているDJには困難になるばかりだ。ヴァイナル自体がなくなっているからな。でも俺はヴァイナルをかけ続ける。最後の1枚がなくなってしまうまでな!だから今年の抱負は、引き続きいいヴァイナルでしっかりしたセットをプレイすること、あといいセックスをすること!そう、セックス!じゃあな!