2014年、もっとも注目を集めたニュース記事は何だったのか?それを紐解くとクラブ/ダンスミュージックシーンが歩んできた軌跡が浮かび上がってくる。

近年のSNSの普及により、特にニュース記事は瞬く間に広がっていく。面白い記事やエクスクルーシブな記事であれば、その数は顕著に表れ、読者のフィードバックが感じ取れて楽しい面でもある。クラベリアというサイトの特性上、フェスやクラブの情報にどうしても人気は集中するが、その中で今年を振り返って見てみても「EDM」と「アナログ回帰」というキーワードが浮き彫りになってくる。一見相反する2つに思えるが、どちらもフィジカルな要素が求められていることが分かる。ULTRA JAPANのように何万人もの人が、フェスでの一体感を求め全国から足を運ぶ。ターンテーブルやレコードプレイヤーへの記事に注目が集まるのも、データを経由してのものだろう。

今回のトップ20は、PV数とSNS数を元に算出したもの。昨年は、どのようなニュースがclubberiaの読者を騒がせた記事だったのだろうか。


Text : yanma (clubberia)

LA発の野外パーティー 「The Do-Over」が今年も開催決定

昨年、東京では初開催だったのにも関わらず、多くの来場者が集まったLA初の野外フリーパーティー「The Do-Over」。出演者は事前に発表されないが、昨年はTony Touch、DJ Kiyo、Force of Natureの出演したこともあり、おそらく昨年の良い評判が口コミで広がっていったのだろう。今年は、DJ Kentaro、Reclooseが出演した。

先端アートの祭典「TodaysArt」日本上陸!天王洲アイルを舞台に開催

オランダ・デンハーグで毎年開催されている先端アートの祭典「TodaysArt」フェスティバルが、10年目を節目に、いよいよ日本で開催されることになった。日本での初開催ということもあり音楽プログラムには、デトロイトテクノのアイコンUnderground ResistanceのHi Tech Jazz Comboユニット、Timelineがライブで出演した。

青山に新店舗EDITIONがオープン

青山に新店舗EDITIONがオープンすることとなった。このEDITIONは、青山everの姉妹店にあたり、青山1丁目駅から徒歩5分の場所に位置する。ラウンジとメインフロアの2フロアの構成となっており、オープニングパーティーは、DJ Komori、Hiroshi Nakamura、Kentaro Takizawa、Baby-T、畑中奈緒美などが出演することとなった。

Aviciiの来日がキャンセルに

このアナウンスにどれだけのファンが肩を落としたことだろう。今もっとも来日を熱望されるアーティストAvicii。一昨年の「SPRINGROOVE'13」での来日キャンセルに続き、昨年も彼の来日が実現しなかった。日本では、山梨・富士急ハイランド・コニファーフォレストと愛知・蒲郡ラグーナビーチでの単独公演が予定されていた。

Fatboy Slim、8年ぶりの単独公演が決定!スペシャルゲストとしてSteve Aokiも出演

日本人はやっぱりFatboy Slimが好きなのだ。今年は、初夏の恒例フェスティバル「BIG BEACH FESTIVAL」も行われず残念がっていたファンには朗報となった。今回の来日は、ワールドツアーの一環として幕張メッセで行われた。ゲストには、世界一のEDMモンスターSteve Aokiが登場した。

渋谷宇田川町のど真ん中に巨大イベントスペース「T2 SHIBUYA International Restaurant」が誕生

2014年は、新店舗のオープンが多い1年だったように思う。MUSEやCOLORのリニューアルオープン、表参道にはSHAG、麻布十番にはELE TOKYO、などなど。そして場所的にも、最も驚かせたのが渋谷・宇田川町のど真ん中にオープンしたこの「T2 SHIBUYA」だろう。1,200名以上のキャパシティーを誇るとあり、なおさら注目を集めたといえる。

東京電機大学旧校舎跡地で「DOMMUNE LIVE PREMIUM KANDA INDUSTRIAL」が開催決定!

DOMMUNEは常に革新的だ。今回彼らが会場に選んだのは、東京電機大学旧校舎跡地という、まさに廃墟といえるレアなロケーション。しかし台風19号の影響を懸念し、屋根のある3331 Arts Chiyodaに緊急移転し開催された。施設内にある体育館では、世界中が恋するDJ/プロデューサーのNina Kravizがプレイするという、ある意味台風のおかげでレアな体験が生まれた。

国内最大級のEDMフェス「electrox」が来年も開催。第1弾ラインナップとしてArmin Van Buuren、Diplo、Sander Van Doornら8組が発表

今年2回目の開催となった国内最大級の屋内EDMフェスティバル「electrox」。その第1弾ラインナップは、DJ Armin Van Buuren、Diplo、Sander Van Doornをはじめ、Quintino、Vinai、Baauer、Klaxons、Clean Banditと超ボリューミーなものに。そして最終的には27組のDJ陣が世界各国から集結し、この巨大フェスを盛り上げた。

渋谷に新店舗DJ BAR Bridgeが誕生

T2 SHIBUYAに続きオープンしたのが、渋谷駅から徒歩1分に位置するDJ BAR Bridge。このDJ BAR Bridgeは、レイオーディオのサウンドシステムを搭載し、小箱ながらも圧倒的な音響を実現した。ビルの10階に位置するDJ BARということもあり、遊びを知る大人たちのためのスペースが渋谷にできたこととなった。

「SONICMANIA 2014」にKraftwerkが3Dライヴで出演決定

2013年に続きKraftwerkが再び日本に帰って来てくれた。電子音楽~テクノミュージックのオリジネーターであり、40年にわたり最高峰の地位と評価を独占するKraftwerkが「SONICMANIA 2014」に出演することとなった。今回のライブは、3D映像と共に繰り広げられ、オーディエンスは3Dメガネを付けてライブを楽しめるスペシャルなセットでの登場だった。

「StarFes.'14」の第3弾ラインナップにNAS、ERYKAH BADU、MARK FARINAが決定

まさかNasが!まさかErykah Baduが!今年、幕張海浜公園に会場を移し開催された「StarFes'14」の第3弾ラインナップは、ここ数年でもっともエキサイティングなものだったのかもしれない。Nasは、90年代の名盤『illmatic』の再現スペシャルライブということ点も話題を大きくされる要因となった。

伝説のサイケデリックバンドShpongleがフルメンバーで来日

clubberia Party Award 2013で1位を獲得したのがShpongle出演のageHa公演だったが、それから1年、トランス界のカリスマRaja RamとSimon PosfordによるサイケデリックバンドShpongleが、今度は総勢12名のバンドやパフォーマーを率いたフルメンバーでコンサートを東京・ステラボール(品川プリンスホテル)で行うこととなった。

Aphex Twinが「Drukqs」以来13年ぶりとなるニューアルバム「SYRO」をリリース

Aphex Twinの13年ぶりとなるニューアルバムには、多くのファンが胸を高鳴らせたことだろう。発表の仕方もユニークで、TwitterにTORという匿名で通信するためのソフトウェアが必要なリンクがポストされ、TORサーバー経由でようやく情報を閲覧できるというものだった。

”神に最も近い男”DJ Harveyが来日25周年記念ツアーを開催!今年設立20周年を迎えるNEIGHBORHOODとのコラボも決定

ここ数年clubberia Awardを賑わせ続けた男DJ Harvey。毎回、来日の度に話題をさらっていく。例年に比べ公演の数は減ったものの、それでも7都市7公演と全国のDJ Harveyファンには嬉しいアナウンスだったに違いない。今年も彼の来日が実現するか楽しみなところだ。

「ULTRA JAPAN 2015」開催決定!規模を拡大し3日間開催に

2014年9月27日、28日の2日間にわたり開催され、日本では初開催ながら42,000人を動員した「ULTRA JAPAN」。その「ULTRA JAPAN」が2015年の開催を発表したが、まさか3日間で延べ90,000人を見込んだ規模へと拡大し開催されるのには、驚いた読者も多かったことだろう。なお、今年のチケットの早割りは即完が続いている。

神速で世界的ブレイクを果たした才色兼備のフィメールアーティストNina Kravizがジャパンツアーを敢行

今年に入ってからもCoachellaをはじめ、Awakenings、Snowbombing、Love Saves The Day、Nuits Sonoresといった世界中の名立たるフェスに出演するほか、今夏もイビサのSpaceでRichie Hawtin presents ENTER.のレジデントDJとして活躍したNina Kraviz。現在世界で最もブッキングが難しいDJの1人である彼女の貴重な全国4公演となった。

Frankie Knucklesが急逝

ハウスミュージックのゴッドファーザーFrankie Knucklesが、3月31日に糖尿病の合併症のためシカゴで亡くなった。この訃報は、ダンスミュージックファンはもちろん、アメリカ合衆国大統領のバラク・オバマ氏も追悼の意を表明するなど、世界中の音楽シーンに大きな衝撃を与えることとなった。

Pioneer DJがアナログターンテーブル「PLX-1000」を発表

Pioneer DJのCDJやDJミキサーは、DJをするにはもはや欠かすことのできないプロダクトだ。USBデバイスなどを使用してDJができる商品もリリースしており、最近では、USBでのDJも一般化してきている。そんな中、Pioneer DJがアナログターンテーブルをリリースしたのは、1つの事件だったかもしれない。彼らもアナログ回帰するほど、市場の需要が高まっているとも捉えられる。このニュースでは、六本木Billboard Live Tokyoで行われた報道陣・販売店向けの新商品発表会を終えての速報としてご紹介した。

90年代のニューヨークハウスミュージックシーンを克明に描いたドキュメンタリー「BACK IN THE HOUSE」がリリース。

なぜ、人々は90年代のニューヨークの音楽シーンに惹かれるのか?その答えがこの作品に描かれている。DVDとして発売されることとなったドキュメンタリー映画「BACK IN THE HOUSE」。当時を知っている人にはもちろん、90年代のクラブシーンを体験していない若年層のDJ、アーティスト、ダンスミュージック関係者にとって、この時代のカルチャーを知り得る貴重な映像作品となっている。また、「BACK IN THE HOUSE」特集も非常に人気の高かった特集となった。

ION AUDIOがアンプ/スピーカー内蔵&レコード音源をiPhoneに保存可能のレコードプレーヤーをリリース

ION AUDIOのレコードプレーヤーを紹介した記事が2014年もっとも話題になったニュース記事になったことは、Pioneer DJのターンテーブルのリリースと併せ、「アナログ回帰」という言葉を証明するには十分ではないだろうか。この「ION AUDIO Archive LP」は、リスニング専用なのでDJではなく一般層がターゲットとなっている。そのため、一般層の人もレコードという物への興味を持っていることがはっきりと表れた。製品の魅力も多く、レコード音源を簡単にデータ化できることや、スピーカーが内臓されること、インテリアとしても映えるデザイン、そして9,980円(税込)という購入しやすい価格など、非常にコストパフォーマンスが良い商品として注目を集めた。