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SACHIHO、Marii、弓J。三人のFemale DJによるパーティ、“S(エス)”。渋谷KOARAで不定期開催される“S”は2013年に3周年を迎え、また同年には東京が誇るのラウンジ・フロア(Time Out Cafe/KATA)を、“S”の三人が二度に渡って彩っている。

“S”はSMのS。「音によってダンス・フロアを攻める」ことを旨として、彼女たちは自身のパーティをそう名付けた。伝説の芝浦GOLDでクラブのカルチュアに魅せられ、現在はハウス〜ミニマル経由のグルーヴでダブ・ステップを紡ぐSACHIHO、90年代のハウス・ミュージックを愛し、ハウスの快楽、毒を纏った儚さの美を高い経験値で表現するMarii、三人の中でも一際ソリッドなミニマル・テクノと、その奥で深く煌く音楽的色彩とでエレクトロニカ・サイドからも支持を集める弓J。彼女たちは三者三様の技巧と審美眼をもって、時に女王のように力強く、時に聖母のように優しく尊く、ダンス・フロアをあらゆる角度から刺激して攻める。攻める側も攻められる側も音楽を一段と求め合い、それぞれの笑顔がクラブを満たしていく。“S”はそんなパーティである。

“S”という「音攻め」の姿勢は、これまでのゲストDJのセレクトにも貫かれている。過去の出演順に、MOODMAN、MONOLITH(MISTON)、MICK(is-ness)、Mr.House Emperorこと高橋透、MINODA (slowmotion)、DJ WADA、Yama a.k.a.Sahib、HARUKA (FUTURE TERROR)、L?K?O。彼女たち自身が刺激ある音楽を求め、テクノ、ハウス、ダブ・ステップといった枠を飛び越える表現者たちをゲストとして招く。

そうした共演者とダンス・フロアへの想いのしるしとして、“S”というパーティは毎回、フロアに折々の花を活ける。暗闇で咲く花に、東京の夜の蟲たちが色とりどりに踊っている。

Text by:yasuda koichiro(WHY)