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Monolake

Imbalance Computer Music, Berlin

 

Robert Henke (1969-、ドイツ、ミュンヘン出身) は作曲・サウンドデザイン・ソフト フェア開発・インスタレーション・映像音楽の分野で活躍している。彼のアートは緻 密に計算されつくされており、繰り返し現れる構造が時間軸とともにどんどん変わっ ていく特徴がある。Henke は、映像音楽の作品間の相互作用が生み出す効果も、作品 が実際に存在する空間と同じように重要なものと考えている。

彼は、Wave-field synthesis( 高度の臨場感を出すための3D 音響技術) やambisonic( 音の高忠実度再生) といった最新の技術に興味を持ち、高解像度・大画 面プロジェクターやレーザーによる演出で観客がどっぷりとその空間に浸れるように したり、ある空間だけを際立たせたり、逆にその空間の感覚をなくしてしまったりす る。彼の作品の多くは、いつまでも終わりのない感じでゆっくりとすすんでいき、オー ディエンスは自分が浸りたいだけ作品に浸っていられるのである。彼の音への探求は、 音響学とコンピューターミュージック、そしてクラブカルチャーに根ざしている。彼 のプロジェクトのひとつであるMonolake は、のちの“the sound of Berlin techno music” の出現に貢献した。さらにコンセプチュアルな作品は、アートギャラリーやフェ スティバルで演じられたり展示されている。

Henke の世代には、作曲・演劇・インスタレーションの新しい境界領域を開拓するた めにテクノロジーやコンピューターサイエンスを使うアーティストたちが多くいる。 Henke にとって、彼の作品にみてとれるアートとしての完成度と、その完成度を達成 するための機器や道具の開発とは、アートを創るという同じプロセスの二つの側面で ある。

Henke のアートとテクノロジーの融合への興味はミュージックソフトウェア Ableton Live の開発への貢献でより明らかである。1999 年にAbleton ができて以来、Henke は、電子音楽の制作や演奏のスタンダードなツールとなったAbleton Live の開発に中 心的な役割をはたしている。Henke は音とコンピューターの活用法について著したり レクチャーをしており、ベルリン芸術大学の教授も務める。

ロンドンのTate Modern、 パリの Centre Pompidou、ルクセンブルグの MUDAM、ニュー ヨークの PS1、シドニーの Art Gallery of New South Wales、トロイの Experimental Media and Performing Arts Center (EMPAC)、 バルセロナSonar Festival などに出演、またはインスタレーションを展示してきた。Henke は20 枚以 上のアルバムをリリースしており、彼の作品であるLayering Buddha はPrix Ars Electronica 2007 で称賛された。2012 年2 月、最新アルバム『Ghosts』を自身のレー ベルImbalance Computer Music よりリリース。2013 年はMohr Visiting Artist とし てスタンフォード大学音楽学部でコンピューター作曲と演劇について講義する予定で ある。