コラム第30回目


clubberiaをご覧の皆様いかがおすごしでしょうか?
今回は記念すべき30回目、またまたスペシャルな感じでいきますよ!
2016年6月に行われた、モジュラーシンセの体験型総合見本市「Tokyo Festival of Modular 2016/東京国際モジュラーシンセフェスティバル」をレポートします。



近年注目の的「モジュラーシンセサイザー」
その魅力と可能性を多面的に紹介するイベント、それが「Tokyo Festival of Modular」です。
モジュラーシンセ好きのHatakenさんとDave Skipperさんが出会い始まったこのイベント、2013年に第1回目が開催され、2015年には東京と京都の二都市で開催、そして今年は前夜祭として6/10(金)六本木SuperDeluxeでの「Premium Live of Modular」6/11(土)12 (日)にRed Bull Studios Tokyo Hall 5階のラウンジとレクチャーホールでの「Tokyo Festival of Modular」そしてさらに前日のDOMMUNE「Gathering of Modular」を加えると4日間の大イベント
電子音好きのCD HATAもどっぷりと楽しみました!

では、その様子を紹介していきます。

前夜祭「Premium Live of Modular」が行われた六本木SuperDeluxeは、Dachamboでも何度かLiveをやったり、Polar ChalorsではサラウンドのLiveをやったりと馴染みの場所。
Noroeste (France), George Chua (Singapore), Richard Devine (US), Eat Static (UK)の4アーティストが、それぞれモジュラーシンセを使ったライブセットを行いました。



まずトップバッターは、Noroeste (France)



自分で作った映像もコントロールしながらの叙情的な演奏
自分でモジュラーも作ってもいるそうです。



そして2番手は George Chua (Singapore)
ジワジワとストイックに攻めてきます。



オイルのVJも加わって会場の温度感もあがっていきます。



そしてメインアクトの一人、Richard Devine (US)
リズム要素も色濃くなっていき、お客さんも興奮気味



使っているモジュラーも複雑にシステム構築されたものでした。
ライブ終了後に機材チェック



そしてトリは、Eat Static (UK)
スペーシーでサイケデリックなOzric Tentaclesでドラマーとキーボードプレイヤーとして活動していたMerv Peplerの登場です!!!







こちらも終了後に機材チェック



前夜祭というには豪華すぎる内容
次の日からの「Tokyo Festival of Modular」に期待が高まります。

ここでモジュラーシンセサイザーって何?という方への補足説明

モジュラーシンセサイザーの誕生は、モーグ博士が1964年に発表した電子楽器に始まります。
その初号機はモジュラー方式でした。
モジュラーシンセは、シンセサイザーを構成する発信器、フィルター、アンプといった独立した各々のパーツ(モジュール)を、結線でつなぎ合わせる(パッチング)ことで、演奏者オリジナルの音色を生み出すことができる楽器です。
決められた回路で、決まった音色を出す現代のシンセサイザーとは異なり、モジュールの組み替えとパッチングによって音を作り替え、オリジナルの演奏装置をカスタマイズする感覚で自由な音を作り出せるのがモジュラーシンセの醍醐味と言えます。

シンセサイザー本来の「シンセサイズ=合成する」という、実機を生でパッチングすることでのフィジカルな音作りや、一期一会の音に出合う創造性、メカニックなルックスなど、とにかく刺激的なんです!

あとモジュラーシンセの音はアナログだけと思われがちですが、音源自体はアナログもデジタルも存在します。
特にデジタルのサウンドこそが今のモジュラーシンセの最先端として人気の的となっています。
デジタル技術の進歩によるコンパクト化も果たされています。
コンピューターやソフト、その他のハードウェアとの相性も良く、レーザーや映像のコントロール、エフェクト専用のモジュラーシンセも存在します。

モジュラーシンセは使い方しだいで、例えばDJのプレイに取り入れることもできます。
単純にモジュラーシンセといっても、リズムマシンにも、効果音のソースとしても、サンプラーとしても、ギタリストのエフェクターにでもなりえます。
すべては選ぶ機材とパッチングしだいです。
さらに、ユーロラックという世界共通のラックサイズの規格に合わせて、全世界の誰もがモジュールをリリースし、提供できることも挙げられます。
作り手にもなり、演奏者にもなれる、世界各国の開発者から斬新なアイデアと共に次々と新製品がリリースされています。

そんなモジュラーシンセの見本市、レクチャー、ミニコンサート「Tokyo Festival of Modular」の様子を紹介します。

まずはそのメカニックなルックス御覧ください。



いやー見ているだけでも楽しく、実際に触って音を出すこともできますし大盛況です!



CD HATA&MASARUで一緒に活動している、DJ MASARUくんも興味津々



CD HATA×KOYASで一緒に活動している、KOYASくんも熱心に説明を聞いています。



KOYASくんが説明を聞いていたのは「REON」というメーカーのもの
ピンクのREON DriftBoxと歌うシンセ女子Risaさん




DRUNKEN KONGのD.Singh氏も、elektronのJapan Branch DirectorのSimon Krusellさんと一緒に音を出しています。
elektronのアナログドラム・マシンやアナログ・シンセサイザーは強力で、Overbridgeという機能を使ってアナログハードウェアとDAW環境を完全に統合することができます。




前回のこのコラムで登場した Mitsu the Beatsくんがお気に入りというTeenage EngineeringOP-1PocketOperatorシリーズも展示されていました。




ホールではレクチャーやミニライブをやっています。

Envelope77さんによる「モジュラーシンセ音遊び入門」では、モジュラーシンセに興味があるけれどもいま一歩踏み込めない人や、片足を突っ込んでいる人に対して、その沼にどっぷり引きずり込むような(笑)、モジュラーシンセの基礎的な話からマニアックな話までのレクチャーがありました。



Jim O'Rourkeさんと琴奏者のHitomiさんによるライブ



おそらく、Jim O'Rourkeさんの右手の動きで反応するセンサーで音が出るような機材だったのかな?



4ms Companyさんのドラムループをポリリズミックに加工していくレクチャーには、Richard Devineさんも加わってマニアックな所まで攻めていました。



そしてオールラストは EAT STATIC
前夜祭とはまた少し違ったアプローチで今回のフェスティバルを締めくくってくれました。



まさに電子音楽の一大フェスティバル
また次回も楽しみにしています!!!


モジュラーシンセ的な楽しみ方をできるソフトウェアシンセサイザーの一つとして、Native InstrumentsREAKTOR 6があげられます。
REAKTORはCD HATAもずっと気になっていて、このコラム第五回目に登場してもらったnumbさんはREAKTORのスペシャリストだし、第二十六回目に登場してもらったTAKAAKI ITOHさんも使っていて気に入っていると言っていました。
元々、Native Instruments社のTRAKTORは、この第八回でも取り上げているように昔から使っていましたし(懐かしいバージョンのTRAKTOR画像w)、第十七回目に登場してもらったDE DE MOUSEさんもNative Instruments社の音が好きというコメントがありましたが、遂にCD HATAもREAKTOR 6を導入しました。
まずファーストインプレッションとしては、皆さんおっしゃっていたように音がいい!!!



目玉としては、やっぱり新機能BLOCKS
モジュラーシンセをいじる感覚でをパッチングして独自のシンセを構築することができます。
そして、BLOCKS 1.2 アップデートでは新しいCV/GATE及びMIDI機能をコントロールするBLOCKS、
アナログドラムモジュールのBLOCKSやMASCHINEと連動するBLOCKSが導入されました。
これによって、REAKTOR 6とハードのモジュラーシンセの組み合わせの可能性も広がります!



このBLOCKS自体を作成することができますし、REAKTORユーザーコミュニティーには沢山のBLOCKSが公開されています。
これをダウンロードすればREAKTORライブラリーをさらに充実させることができます。
CPUが許す限りいくつでもモジュールをつなげることができるのもソフトウェアの恩恵ですね。
REAKTORユーザーコミュニティが制作した4,000を超える無償のインストゥルメントやエフェクトもあるし、これはこれではまること間違いなし!!!



いろいろな方法での音作りは楽しく無限大、これからも更なる可能性に期待大です!!!

 CD HATA




archive
第一回 「Kaossilator Pro」その1
第二回 「Kaossilator Pro」その2
第三回 温故知新!?
第四回 「PICnome(ピクノーム)」その1
第五回 「PICnome(ピクノーム)」その2
第六回 「CI2+ de CUBASE 」
第七回 音楽制作の移り変わりと時代の変化に対する不可分的相関関係について!?!(タイトルなげぇ?!?)
第八回 「年末スペシャル」MIXに深みあり、人に歴史あり!!!
第九回 新年のご挨拶
第十回 KAOSS PAD QUAD「くわぁ~ドォ!!!」
第十一回 【社会の時間】社会科見学の巻
第十二回 音を見る!!!
第十三回 りらっくスタジオ
第十四回 新年あけまして~!!!旅のお供にmonotron DUO&monotron DELAY
第十五回 やっぱ幅の広さは大切ッスね!!!
第十六回 スペインはバスクからのウェルカム!!!
第十七回 裏の裏は表だったのだ!!!
第十八回 人生がインプロビゼーション
第十九回 一枚のアルバムができるまで
第二十回 やっぱり繋がりって大切ですよね!!!
第二十一回 マ~ヤっぱり2013年もよろしくおねがぁいをしま~す!!!
第二十二回 このコラム 3rdアニバーサリーなのさ~ど!!!
第二十三回 へび年クネクネ振り返る!!!
第二十四回 小さな巨人『littleBits』
第二十五回 わかりはじめたハイレゾリューション
第二十六回 世界基準の田舎テクノフェス その名「rural」
第二十七回 Ableton Liveを酒の肴に
第二十八回 形あるものへの美学
第二十九回 Machine-de-MUSICとMASCHINEで
第三十回 モジュラーシンセは無限大の音作り
第三十一回 シンセ番長の大博物館
第三十二回 "CD HATA & MASARU / Octopus Roope" 音の中身はこうなっている
第三十三回 日本初 音楽カンファレンス&イベント『TOKYO DANCE MUSIC EVENT』
第三十四回 蜻蛉-TONBO-「Tokyo Mad Cave」リリース記念 O.N.O a.k.a MachineLive対談インタビュー
第三十五回 Machine-de-MUSIC 北海道編 第一弾 kuniyuki studio
第三十六回 Machine-de-MUSIC 北海道編 第二弾 Hideo Kobayashi studio
第三十七回 Sakiko Osawa「Chronic」リリース 日々研究
profile
DJ HATA
CD HATA


Yahoo公認フェス番長”Dachambo”のシンセサイザー担当
Dachamboは5度のフジロックへの出演しており、ライジングサン、朝霧jam、サマーソニックなど日本のフェスへ多数出演することで、Yahooよりフェス番長の称号を与えられる。
またオーストラリアツアー、アメリカツアーなどワールドワイドに活躍し2016年9月16日ベスト盤アルバム”HERBEST”をリリース
http://goo.gl/ywPyvU

CD HATA名義のテクノDJとしても、野外フェス、クラブイベントで精力的に活動中
remix制作、MixCDリリース、アンビエントアルバムをリリースし、オーストラリアやフランス~スペインツアーなど海外でも活躍し、元i-depの藤枝伸介との「Polar Chalors」Ableton認定トレーナーKOYASとの「CD HATA×KOYAS」kannonsoundプロデューサーMASARUとの「CD HATA&MASARU」等、多彩なリリースを重ねる。

また、300ページに及ぶ「Logic Studio テクニカルマスター」執筆などデジタル機材に精通しており、DJスクールidpsで楽曲制作の講師を務める。
http://www.idpsorg.com/production


『CD HATA』
facebook
http://www.facebook.com/CDHATADachambo
Twitter
http://twitter.com/DJHATA_Dachambo
tumblr
http://hatadachambo.tumblr.com/
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beatport
https://pro.beatport.com/artist/cd-hata/190156

INFOMATION


海外・日本の第一線で活躍する現役DJを常任講師として迎えているDJスクール「IDPS」にてCD HATAも講師をしています。
東京校楽曲制作コースではLogic Proを、楽曲制作オンラインコースではAbleton LiveまたはLogic Proを選択可能となっています。
興味のある方は、カウンセリングの予約をお願いします。

東京校 楽曲制作コース
http://www.idpsorg.com/production

楽曲制作オンラインコース
http://www.idpsorg.com/production_online


DJ SCHEDULE


2017/5/19 (FRI)
『caldera』
at RAF-REC
18:00 - 0:00

GUEST DJ
CD HATA from DACHAMBO

DJ
JOJO(FANTASIA)
SAITOPEN(SANDINISTA/OPEN)
ryohei(BASE the SPACE)
yoshiki(caldera)

Used Cd / Record & Cafe
【RAF-REC】
〒990-0828
山形県山形市双葉町2-1-1

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/294297070999411/





2017.05.20 (SAT)
『ONENESS』

at THEARTER (福島県郡山市清水台1-6-9 八幡プラザ3階) OPEN/START 22:00
DOOR 2,500yen(w/1D)

Special Guest
CD HATA (Dachambo)

Guest DJ
U-SKE (dob masala)

DJ's
HII (ONENESS/GRASSCODE)
Sho Nagamine (HOOP)
Syuhey

Dachamboのサイケデリックシンセストと活躍し、昨年末にテクノトラックをCD HATA&MASARU名義でOctopus Roopeをリリースし勢いが増しているCD HATAさんが1年半ぶりに来郡です!
そして会津の重鎮U-SKEさんも出演です!
良質なダンスミュージックを体感しに是非とも!

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/1845972062332859/





2017/5/26 (Fri) 『TYPE NINE』
@Aoyama TenT
OPEN 22:00~
Charge:1,000yen(with 1D)
- 出入り自由

■Line up
CD HATA(Dachambo)
TOMO HACHIGA(HYDRANT/NT.LAB)
K.N.(hydraulix/original mass recording)
CHIE NAKAJIMA(RE:INSOLENCE)
Gradate (Tokyo Bass Music)
SHIT DUO
SHINICHIRO IMANARI(09recordings)

2016年から都内で不定期開催するテクノパーティー「TYPE NINE」。今回は日本最強(狂)サイケデリックジャムバンド"Dachambo"のシンサイザー担当CD HATAと前回に引き続き再登場となる孤高のダークミニマリストTOMO HACHIGA、そして日本のACID TECHNO第一人者にて、日本のアンダーグランドテクノシーンをリードするK.N.が緊急参戦いたします。

Aoyama TenT
東京都渋谷区東1-2-23 旧ma東ビル3F

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/304063510016494





2017.5.27 (SAT)
『Oregon Eclipse 2017 Teaser in TOKYO』

今夏、アメリカ・オレゴン州で開催される「オレゴン皆既日食フェス」のプレパーティー「Oregon Eclipse 2017 Teaser in TOKYO」が5月27日(土)に新木場ageHaにて開催決定!

Dachambo
CD HATA
出演

【 Oregon Eclipse 2017とは?】
オレゴンの大自然の中、アートや音楽に囲まれて1週間キャンプをしながら皆既日食を観測するという巨大野外イベント。
世界中400以上のアーティストが7つのステージに集結し、3万人以上のオーディエンスが熱狂する!

http://www.clubberia.com/ja/events/266803-OREGON-ECLIPSE-2017-TEASER-in-TOKYO/



INFOMATION
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