開催前に公開した記事『ダンスミュージックの枠を超えて。「ULTRA」が僕らの未来を変えてくれる可能性』。そのなかでクリエイティブディレクターの小橋賢児さんが“個人的に楽しみにしているのが石野卓球さんのパフォーマンス”だと語っていました。それを聞いて、確かに卓球さんが「ULTRA」で何をかけるのだろう? と気になったので今年の「ULTRA JAPAN 2016」は3日目に参加することにしました。

 9月19日、外はあいにくの雨。17日、18日も天気予報は雨だったのにもかかわらず、雨は降らず曇り時々晴れといった具合。なぜ今日に限って…と肩を落とすも、霧雨程度ということもあってオーディエンスの熱気は例年と変わらず高い。オーディエンスの様々なコスチュームを追いかけ、視線はあっち行ったりこっち行ったり。しまった、視線を隠せ、且つクールを装えるサングラスを持ってくればよかった…。

Text : yanma(clubberia)
Photo : 
© ULTRA JAPAN

 
 取材受け付けで手続きを済ませ、いざ入場! レジスタンスステージへ向かう。只今12時30分。卓球さんのパフォーマンスまで30分ほど時間があったので、同エリアにあったルミネスブースに行ってみた。バスタブを縦にしたくらいの大きさの巨大スマホが設置されゲームが体験できる。ブースには列もできている。その理由のひとつにアプリ体験者には抽選で『マイアミ行き航空券 + Ultra Music Festival チケット』が当たるキャンペーンが行われているからだろう。私は当たったらいいな〜と思いつつ、遠くから人がやっている様子を眺めた(眺めているだけではけっして当たることはない)。じつは私、前日にこのルミネスをダウンロードして、すでにプレイ済。しかも「ULTRA JAPAN」にも出演したKygoやdeadmau5など人気プロデューサーたちの楽曲が多数収録された『ULTRA JAPAN COMPILATION PACK 2016』を。つまり、そこそこ上手い。スマホの画面を見せたらお兄さんが優しく「ダウンロードありがとうございます。これマイアミ行きの航空券とUltra Music Festival チケットが当たる応募用紙なので、ぜひ記入してください」などと言ってくれないか。「僕の彼女もダウンロードしたんです。昨日、家で2人でやってました」などと言えば、当選の確率が倍になるのでは? とも期待したが、シャイな私には、話しかけること自体かなりハードルが高い。なのでやはり遠くから眺めておくことにした。(ちなみに彼女は音ゲーにも関わらず無音で楽しむ強者だ)
写真提供:モブキャスト 
 
 
 レジスタンスステージは昨年から展開されている天井付きのステージで、広さは学校の25mプールくらいあるでしょうか。DJブースの前面とテントの内壁にはLEDパネルが設置されていますが演出は控えめ。スピーカーはヴォイド社のものを使用。出演者もテクノを中心としたアンダーグラウンドミュージックのDJ/プロデューサーが中心で、この日もDubfireやArt Departmentがクレジットされていました。このレジスタンスステージは、“「ULTRA」は決してEDMのフェスをやっているわけではない。そのことをロゴを壊してまで打ち出した”と、記事『ダンスミュージックの枠を超えて。「ULTRA」が僕らの未来を変えてくれる可能性』の中で小橋賢児さんが説明しています。レジスタンスステージの登場は昨年からですが、開催初年度の2014年もテクノ、ハウスといったアンダーグラウンドミュージックに特化したステージがZepp ダイバーシティにありました。レジスタンスステージの登場は、コンセプトを分かりやすく示すことがおそらく目的で、実際は以前からアンダーグラウンドな音楽も大切にしているフェスでもあります。
 
 KEN ISHIIさんが曲をピッチダウンして終了。拍手のなか、卓球さんが登場。陸上選手、ヴォルトのようなポーズを決めてスタート。60分の間に約15曲(おそらく)ほどプレイした卓球さん。序盤はサンバっぽい南米系のリズムを感じられるテックハウスからスタートしてテクノ、エレクトロ、ブレイクビーツにニューウェイブ、ディスコまで幅広い選曲で楽しませてくれました。特徴的だったのは、アンセム曲をオリジナルとは違うバーションで合間合間に使っていたこと。例えば、レジスタンスステージといえばCarl Cox! だからプレイしたのかRenato Cohen vs. Tim Deluxe『Just Kick! (Carl Cox Mix)』(ボーカルなし)や、喘ぎ声ハウスと言ったらこれLil Louis『French Kiss』(喘ぎ声なし&ピッチダウンなし)を使ったり、ディスコの名曲『Ain't No Mountain High Enough』をサンプル的に使っていました。それに、◯◯っぽいとなってしまいますが、シカゴハウスの名曲The Housemaster Boyz『House Nation』やエレクトリックミュージックを一般層にまで広めたThe Chemical Brothers『Hey Boy Hey Girl』のようなトラックも使用していました。ここにあげた曲は、ワンフレーズ聞いたら「あっ、聞いたことある」と思ってもらえると思うので、Youtubeでチェックしてみてください。
 もうひとつ。メインのトラックにCDJのホットキューを使用して声や音を頻繁にミックスしていた印象があります。
 
 アンセムトラックの使用や演奏的なDJプレイは、テクノ/ハウスといったクラブ・ミュージックとは? DJとは? ということを説明しているようでした。そして最後は自身のトラック石野卓球 『Rapt In Fantasy』で締めました。ステージ横にもMVで出てくる扇風機が置いてあったので、この曲のためだったのか、なんて思いつつ。
 
 このあともメインステージとレジスタンスステージを行き来していましたが、3日目のレジスタンスステージは卓球さんが一番盛り上げていました。
 しかし、3日間で約12万人も集まるなんて。来場者数の規模的には、あのフジロックとほぼ同じだから驚きです。ダンスミュージックのフェスが、日本を代表するロックフェスと数字的には肩を並べているわけですから。数年前までダンスミュージック系のフェスは最大でも約2万人だったのを考えると、とんでもないことが起こっている、としか言いようがありません。年々規模が拡大され、演出もパワーアップされていく光景に、次回の「ULTRA JAPAN」は、どんな拡張をみせてくれるのでしょうか? 非常に楽しみです。
 
9月17日出演者
 
9月18日出演者
 
9月19日出演者

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2016-09-19 (Mon)

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