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SLY MONGOOSE

松田浩二:エフェクターで音色を変調させるKUNIさんのトランペットが入ったり、ターボ(富村唯)がアフリカン・ドラムのセットを取り入れたり、塚本(功)くんがアコースティック・ギターを 使ったりしたことで、バンドが触発されて、各々の役割も変わったんですよ。 KUNI:一本のメロディがあったとして、それに対して各パートが演奏するんじゃなく、全部が集まって一つになっているし、構成もいわゆる定型のものではなくなっていますよね。だから、個人的なイメージでは、近くから見ると枝葉なんだけど、遠くから見るとそれが集まった木全体になっている、みたいな、そんな印象がありますね。

塚本功:今回はメジャーかマイナーか、キーすら決めずにセッションを始めた 曲もあったんですけど、僕からすると笹沼くんのベースラインだったり、グルーヴが決まった道筋としてあるからこそ、そこからメロディが導き出されたり、上モノとして他の楽器が絡んでいけたんじゃないかなって思いますね。 笹沼:なんとなく夢の中の整合性がない感じというか、曖昧な感じを表現出来たら面白いと思っていて、明確な決まり事を作らずにある程度の遊びしろを残したまま録音した曲もあります。なるべく視点を固定させたくなかったんです。今回のアルバムは、聴く人によってシリアスに捉えられるかもしませんけど、“Schizophrenic Debater”の塚本君がギターでディベートしてる感じとか、“Mandragora”は冒頭のギターが根っこが人間の形をしてて、引っこ抜くとギャーッて叫び声を上げる架空の植物(マンドレイク)のイメージだったり、なかなか馬鹿馬鹿しい仕上がりになっていると思うし、僕らなりのコミカルな表現なんですけどね。