音質は当然ながら、それ以前にマテリアルとして素材感が良いし、工業デザインとして優れていると思います。

- まずStudioの音の特徴を言葉にするとどういったものになりますでしょうか?

音像がすごく立体的だと思いました。僕たちはDJという仕事柄パソコンで音源を確認することが多くて、その時にクラブのスピーカーで鳴らす訳にはいかないのでヘッドフォンの中で音を再現できたらいいなということを常々思ってリスニングしているんです。 これを最初着けた時に、いろいろな音の分離感もあり、さらに音の奥行きにパンチもあってクラブっぽいなと思いました。最近、立体的な音像が作れるヘッドフォンが出てきてはいるんですが、その中でもかなり素晴らしいなと率直に思いました。

- 着け心地はいかがでしょうか?

ちょうどいいですね。オープンイヤータイプであったり、がっしりとした作りのものであったり、それぞれのよさがあると思うんですけど、この機種に関してはこの大きさがほど良いし、着け心地もいいと感じました。

- ちなみに今までBeatsの製品を使われたことはありましたか?

今回が初めてです。

- では、使用する前のBeatsのイメージを教えてください。

記事や広告で読んでいてすごく興味は持っていました。僕は、いろんなメーカーさんにもお声をかけて頂いてモニターさせて頂いたりとか、商品をご提供して頂いたりといろんなヘッドフォンを使ってきました。ヘッドフォンにはそれぞれの良さがあると思うんですけど、Beatsに関しては手に持った時の高級感がやっぱりすごいし、製品として強いなと思いました。音質は当然ながら、それ以前にマテリアルとして素材感が良いし、工業デザインとして優れていると思います。手に取った時の質感もすごくいいと思いました。価格もなかなかですが充分に満足できるプロダクトに仕上がっているのが素晴らしいと思いました。

2つの楽曲が混ざってもなお
解像度が高いっていう状況が1番
理想なんです。
それがこのヘッドフォンには
ありますね。

- このヘッドフォンで聴くとしたらどういったジャンルがおすすめでしょうか?

特にヘッドフォンではなかなか再現しづらいスーパーベースが入っているようなクラブトラックであるとか、最近のダンスミュージックに多いパンチのあるエレクトロに関しては文句無いです。僕は自分が使うならばDJをやる前の時間の、選曲や音の仕込み、DJの状態を想定した作業に是非使いたいなと思います。

- 初めて商品が届いた時の印象を教えてください。

結局製品って見た目や触った感触だと思うんです。いくら音が素晴らしくても、商品として弱かったりして安っぽく思ってしまったら認められないんですよね。 そういう意味では非常に良くできたプロダクトだと思うし、誰がプロデュースしたとかいう情報は知っているんですけど、そんなことよりも物として強いし、かっこよくてパフォーマンスもいいという部分でかなり理想的だと思いますね。

- ヘッドフォンを選ぶ時のポイントを教えていただけますか?

やっぱりそれぞれのヘッドフォンに個性があるし、Beatsの中でも機種が違えばパフォーマンスが全然違うと思います。自分がどういう音や着け心地を求めている

かにもよると思うので、チャンスがあればいろいろなヘッドフォンを試してみて決めた方が良いんじゃないかなと思います。

- 今度はMixrをDJブースで使用頂いた訳ですがいかがでしたか

素晴らしい!本当に素晴らしい!ヘッドフォンの音っていうのは絶対に外音との遜色があるんですよ。完全に別物の音ということが多くて。その中でせめてドンシャリや音量だけはキープしてくれと思ってるんですけど、これはすごいですね。音像が立体的だしパンチがありますし。僕はヘッドフォンの中でミックスするのは嫌いなんですけど、これなら安心してできますね。初めて大音量でこのMIXRを使ったけどすごくいいですね。 あとDJ用のヘッドフォンって酷使する物なのでなかなか高い製品を持って行きづらいんです。僕らはヘッドフォンは消耗品だと思っているので。1ヶ月に1回くらい潰したり失くしたりするので。そういった意味でこの製品は安くはないと思うんですけど、素晴らしいと思うので僕これに替えますよ。

- StudioとMixrの違いを教えていただけますか?

ミキサーに繋ぐDJ用のヘッドフォンって、現場でどれだけミックスがしやすいかが大事だと思うんです。それは外音が爆音でなっている中でちゃんとモニタリングできないといけない、ベーシックな部分でパワフルでなくてはいけないというところをクリアする必要があります。例えば2つの違う音源をヘッドフォンの中で聴きながらバランスを調整する時に、2つの楽曲が混ざってもなお解像度が高いっていう状況が1番理想なんです。それがこのヘッドフォンにはありますね。DJ用のヘッドフォンでそこを考えて作られている物が、各社頑張ってはいるけれどもあまりないので。
DJ用の新しいヘッドフォンをレビューさせて頂く時に、音量が全然足りなかったり、音像がベタベタであったりするものもやっぱりあります。特に左右の音源をヘッドフォンの中で聴くということに関して全く想定されていなかったりするんです。パワフルな部分をキープした上での音像と解像度とそれぞれの音の分離っていう要素は、現場の場数を踏んで過酷な状況でやればやるほどヘッドフォンに対する信頼として必要になってきます。これらの点においてMixrは抜群だと思います。 モニター環境が悪くてぐちゃぐちゃになったらどうしようとかいう心配があったんですけど、これで安心かなというぐらいすごく聴きとりやすくてびっくりしました。

- DJではなく普通に町で使う人たちに対してはどうでしょうか?

StudioとこのMixrを比べてどうこういう話ではないと思うんですけど、Mixrの方が値段も手頃ですよね。今日は、いわゆるダンスミュージックとして特に鳴りのいい曲をかけたつもりなんですけど、こういう楽曲って、鳴るポテンシャルがあって鳴る楽曲だったりするんですよね。ちゃんとクラブのスピーカーがあって鳴るという音楽。

でもこのヘッドフォンだとこれに繋ぐだけでその音をほぼ再現できているんですよね。あとサイズ的にも手頃なんで日常のリスニング環境に取り入れやすいのかもしれないですね。すごくいいと思います。
あとは耐久性だけですね。DJは本当に過酷に使うので、割れやすかったりしたらみんな二度とチョイスしないので(笑)。週に何回も使って、場合によっては落としたり踏んだりしてしまう物なので耐久性がとても重要だと思います。
運ぶ環境とかはハードケースも付いていたんで大丈夫かなとは思いますけど。でも音は本当にパンチがあって素晴らしいです!

TOMOYUKI TANAKA (FPM)

DJ/プロデューサーとして国内外で活躍。これまでに8枚のオリジナルアルバムのリリースのほか、多数のアーティストのプロデュースも手掛けている。

TOMOYUKI TANAKAが東京で主宰する唯一のレギュラーパーティー「HYPER SOCIETY」がSOUND MUSEUM VSIONで5月2日に始動!VERBALとILMARIを筆頭に東京のシーンをリードする素晴らしいスターDJたちが勢ぞろいする。詳しくはコチラより