ダブステップの震源レーベル、HYPERDUBのレーベルショウケースが遂に日本初開催が迫った。先日、ベースミュージックの祭典「OUTLOOK FESTIVAL」が終わったばかりなのに、またもやこのショウケースで三半規管がおかしくなってしまいそうなラインナップと内容だ。
"HYPERDUB"といえば、James Blakeと同じように一般層までその名を浸透させたBurialを擁する名門レーベル。今回のショウケースには、Burialの師でありレーベルオーナーでもある、つまりダブステップ~ポストダブステップの源流「Kode 9」をはじめ、メランコリックなメロディとスモーキーなボーカルで幽玄な世界観を魅せる「King Midas Sound」、風変わりなテクスチャアとアイディアに満ちたサウンドで粗野と洗練が同居するアーバンなサウンドを展開する天才「DVA」、かの電子音響の御大Jan Jelinekも太鼓判を押した"ホンモノの異能"「Hype Williams」4組が登場する。さらに当日は、サブウファーが追加投入され夢の重低音天国が実現する。
今回のclubberia featuresでは、この「HYPERDUB EPISODE 1」をご紹介したい。レーベルオーナーの「Kode 9」のインタビューもあるので、そちらも併せてチェックしてほしい。音の振動が針をつたい自らの体に傷つけてメディアとして残るレコードのように、現場で彼らの放つ振動を自らの体で感じて"HYPERDUB"という世界観を体験として肌の記憶に残してほしい。

LINE UP:06.09.Sat. 大阪 CONPASS


Kode9

King Midas Sound

Hype Williams

DVA



OUTLINE


Open: 23:00  Open: 20:00 / CLOSE: 23:45
前売チケット: ¥3,800  前売チケット: ¥3,500(D別)
当日: ¥4,500  当日: ¥4,200(D別)
INFO: BEATINK 03-5768-1277  INFO: CONPASS 06-6243-1666
※KODE 9によるエクスクルーシヴなMIX CDを先着100名様にプレゼント  ※KODE 9によるエクスクルーシヴなMIX CDを先着50名様にプレゼント
 
[Ticket]
BEATINK
, Clubberia , ローソンチケット (Lコード: 72501), e+
TOWER RECORDS (渋谷店 / 新宿店 / 秋葉原店)
disk union (渋谷CLUB MUSIC SHOP / 新宿CLUB MUSIC SHOP / 下北沢CLUB MUSIC SHOP / お茶の水駅前店 / 池袋店 / 吉祥寺店)
DISC SHOP ZERO, TECHNIQUE, JET SET TOKYO, more record shops
 [Ticket]
 ローソンチケット
(Lコード 54190)
 e+ (イープラス)


ABOUT HYPERDUB



What is Sonar? 2001年に「Kode9(コード・ナイン)」が始めたウェブジンから発展し、彼が2004年にに立ち上げた、今日のダブステップ隆盛を築いた中心的レーベルであり、そして今やロンドンを代表するインディレーベル。レーベル最初のリリース、Princeの「Sign'O'the times」のビート無しヴァージョンを使ったKode9とMCのSpaceape(スペースエイプ)による楽曲が、まだダブステップがメジャーでは無かったころにUKガラージシーンで注目され始めた。その後、Burial、Ikonika、King Midas、Hype Williamsなどの作品をリリースし、Hyperdubは変化と進化を続けた。そして現在も、Kode9が作り出した不調和なテンプレートが、今や何百ものプロダクションに転移してリスナーの耳に届けられている。


   

今年2月に発売されたアルバム収録曲であり、バイナルでもリリースされたリードトラック。幻想的な女性ボーカルが包みこむディープでテッキーなトラックとなっている。パチパチとアナログ特有のノイズが加えられており、ウィットな質感も加わった素晴らしいサウンドが展開された逸品。
 
レーベルオーナーKode9と盟友THE SPACEAPEによるシングル。ダブステップという枠組みから、積極的に逸脱したようなテッキーなトラック。音階が揺らぐ不安定なシンセに、リズミカルなビートを加わり、テクノ+エレクトロニカ+ダブステップのような独特の世界観を繰り広げている。
 
Roger Robinsonの繊細で脆弱な歌声に寄り添う、居心地のよいベース。そこに、日本人ボーカルのHitomiの声が加わり、出口のない不安定な空間にいるかのようなトラック。彼らのトラックは、どれも中毒性が高く幽玄な世界観についつい酔いしれて感覚を失ってしまう。


   

DVAの音はいつも新鮮だ。ハウス、テクノ、ヒップホップやR&Bといったさまざまなジャンルの音楽を、ユーモア溢れる音色、展開にしていく。このトラックは特に正統派とは対極にいる異端派といった印象。UK最先端アーバンダンスミュージックを奏でる彼は、天才という言葉が似合う。
 
シンプルなシンセにピッチダウンしたロービート、瞑想的なボーカルが一体となり、個性的なディープサウンドを展開している。薄もやの中にいるような、チルエレクトロニックミュージックは圧巻。コズミック、バレアリック派にもアプローチする独創的なインダストリアルミュージック。
 
今回の出演は無いが、5/26にアルバムをリリースしたばかりのLaurel Haloも注目。このトラックはそのアルバムからの一曲。ドリーミーな展開に生々しい歌声がのった女性ならではの展開。もっとエレクトロニカ、音響的な要素も強いトラックも多数収録されている。ジャケットは会田誠氏の「切腹女子高生」。


 

大宮more recordsと横浜grassrootsでプレミア上映されたKing Midas Soundの日本語字幕付ドキュメンタリー映像。彼らのライブ映像とインタビュー映像とで構成された貴重な映像資料と言っていいだろう。